海底鉱物資源の新たな製錬方法開発を推進するマイクロ波技術の進展

マイクロ波技術で海底鉱物資源の製錬を加速



マイクロ波化学株式会社(以下、当社)は、東京都の「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」において、東京大学と連携し、「海底鉱物資源の製錬方法の開発」に本格参画することが決定しました。このプロジェクトでは、南鳥島沖で発見されたマンガンノジュール鉱石に対して、当社が開発した独自のマイクロ波技術を活用した製錬プロセスの実証試験が進められます。

海底鉱物資源の重要性とは


近年、電池材料などに欠かせないレアメタルの確保は、日本にとって喫緊の課題となっています。特に、南鳥島周辺の排他的経済水域には、コバルトやニッケルなどを含むマンガンノジュールという新たな資源が豊富に存在することが数回の航海により確認されました。この支持が開発進展の期待を高めている一方で、従来の採掘や製錬には高いコストが伴うため、新しい方法の模索が急務です。

マイクロ波技術の導入


当社は、自社のマイクロ波技術プラットフォーム「Green Mining-MX」を駆使し、南鳥島沖のマンガンノジュール鉱石の煆焼試験を行うことに決めました。エネルギー効率の向上が直接的にコスト削減に繋がることから、特にこうした新しい技術の導入は非常に重要です。

プロジェクトの進行状況


今年度内には数kgのラボスケール試験を実施し、次年度には数十kgのベンチスケールでの実証試験が予定されています。さらに、2026〜2027年には、実用性を査定し、数トン規模の実証試験を行うことが計画されています。この段階を踏むことで、マイクロ波技術を応用した金属製錬プロセスが経済的に成立するかどうかを見極める狙いです。

技術の将来性と社会への貢献


今回の取り組みを通じて、当社の技術プラットフォームは、鉱山資源の開発だけではなく、海洋鉱物資源の開発にもその適用範囲を広げる予定です。内閣府が掲げるレアメタルのサプライチェーン強化に貢献するための重要な第一歩となるでしょう。これにより、日本の自給自足力を高めることにも寄与することが期待されています。

海底鉱物資源は、豊かな埋蔵量を持ちながらも製錬コストが課題となっていましたが、マイクロ波技術の導入により、経済性の確保が見込まれています。今後の開発進展が、どのように日本のレアメタル供給に変革をもたらすのか、注目が集まります。

会社情報

会社名
マイクロ波化学株式会社
住所
大阪府吹田市山田丘2-1フォトニクスセンター5階
電話番号
06-6170-7595

トピックス(科学)

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