三井不動産レジデンシャル、木材再利用の取り組みを発表
三井不動産レジデンシャル株式会社が不動産業界の新たな試みとして、「既存樹 再循環サービス」を4月より開始することを発表しました。このサービスは、過去に分譲されたマンションにおいて、経年劣化により伐採を余儀なくされた樹木を引き取るものです。これにより、伐採木材の新たな活用法を見出し、環境への配慮を強化することを目的としています。
伐採木を新たな資源へ
本サービスの対象となるのは、三井不動産レジデンシャルが分譲し、管理は三井不動産レジデンシャルサービス株式会社が行う物件です。万が一、樹木の伐採が必要となった場合、管理組合と協議の上、伐採された樹木を引き取ります。その後、引き取った樹木は家具やアート、管理備品などに加工されることになります。これにより、ただ廃棄されていた木材を環境に優しい方法で再利用し、資源循環社会の実現に貢献することが目指されています。
イベントを通じて入居者とのつながりを
さらに、三井不動産レジデンシャルでは、樹木に関連したイベントの提案を行うことで、入居者とともに物件の経年優化を図る考えです。入居者にとっても、樹木を通じたコミュニティ形成の機会として大いに期待されています。
東京ツインパークスにおいては、サービス開始の前段階として、2002年10月に竣工した当物件のケヤキとサクラの樹木が伐採され、これを基にした管理備品が納品されました。特に、コンシェルジュデスクやゲストルームといった共用部分での利用が計画されているため、実際に入居者が触れる機会も増えるでしょう。
持続可能な未来へ向けて
気象庁によると、近年は異常気象による倒木被害が増加しており、過去に伐採された樹木がそのままにされてしまう状況も多々見受けられました。三井不動産レジデンシャルは、この課題に対して木材の製材や加工を行うため、社内での連携を強化し、持続可能な社会作りに貢献しています。
また、三井不動産グループは「共生・共存・共創」を経営理念に掲げており、その実践を通じて社会的価値の創出を目指しています。今回の取り組みもその一環であり、持続可能な商品やサービスの提供を通じて、SDGsへの貢献も重視しています。
結論
「既存樹 再循環サービス」は、過去の分譲物件における木材の有効活用を実現し、入居者のコミュニティ形成にも寄与する新しい試みです。三井不動産レジデンシャルのこの取り組みは、単に廃棄物を減らすだけでなく、環境への配慮を深める一歩となることでしょう。