大学図書館の未来像:2030年を見据えたデジタル・ライブラリー構想

オープンサイエンス時代の大学図書館:2030年へのロードマップ



文部科学省は、大学図書館の未来像を明確にするため、2030年を見据えた「デジタル・ライブラリー」推進に関するロードマップを策定しました。このロードマップは、オープンサイエンス時代の到来に伴い、大学図書館がますます重要な役割を担うことを認識し、その変革と発展のための指針を示すものです。

変化する時代の要請:オープンサイエンスとデジタル化



近年、研究活動はオープン化が進み、学術情報へのアクセスは容易になりました。しかし、同時に、膨大なデータや情報が氾濫し、その管理や活用が課題となっています。大学図書館は、従来の文献収集・保存に加え、研究データの管理、オープンアクセス化、研究者への情報リテラシー教育など、新たな役割を求められています。

デジタル・ライブラリーの3つの柱



ロードマップでは、2030年までに実現すべきデジタル・ライブラリーの姿として、以下の3つの柱が掲げられています。

1. オープンな学術情報基盤の構築: 大学図書館は、学術情報のオープンアクセス化を促進し、研究データや出版物の共有を容易にするための基盤を構築する必要があります。
2. 高度な情報リテラシー教育: 情報過多の時代において、研究者や学生は、信頼性の高い情報を見抜き、適切に活用するための高度な情報リテラシーを身につける必要があります。大学図書館は、情報リテラシー教育を強化し、情報活用能力の向上を支援する役割を担います。
3. データ駆動型の図書館サービス: 大学図書館は、利用者のニーズを分析し、データに基づいた効率的で質の高いサービスを提供する必要があります。デジタル技術を活用し、図書館サービスのパーソナライズや、新たなサービスの開発に取り組むことが重要です。

大学図書館の変革に向けて



このロードマップの実現には、大学図書館の組織・運営体制の改革、デジタル技術への投資、人材育成など、多岐にわたる取り組みが必要となります。文部科学省は、大学図書館が積極的に変革を進め、オープンサイエンス時代における重要な役割を果たせるよう、積極的に支援していく方針です。

未来の大学図書館:オープンな学びと研究の拠点へ



2030年、大学図書館は、オープンアクセスな学術情報へのゲートウェイとなり、研究者や学生の創造性を刺激するインキュベーションセンターとなるでしょう。デジタル技術を活用し、オープンな学びと研究を促進する役割を担うことで、大学図書館は、未来の学術発展に貢献していくことが期待されます。

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