運行管理システムの導入で物流業界を支援する鈴与シンワートの挑戦

鈴与シンワートが手にする新しい運行管理システム

鈴与シンワート株式会社は、鈴与シンワ物流株式会社の運行管理システムのリプレイスに関するコンサルティングを行っています。本レポートでは、最近の進捗状況として『AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業費補助金』の申請プロセスについて詳しくお伝えします。

システムリプレイスの必要性

物流業界は、今まで以上に効率的な運営が求められています。鈴与シンワートが進めている運行管理システムのリプレイスは、CO2削減に留まらず、実車率の向上を狙った生産性向上とコスト削減を目的としています。このシステムでは、車載のIoTデバイスが運行情報を提供し、渋滞や悪天候を避ける効率的なルートを示します。また、万が一のトラブルが発生した際には、車載カメラによる映像から状況を把握し、迅速な対応が可能となります。

さらに、この取り組みは運転者不足を解消し、2024年問題に対する対策としての重要性が増しています。収益改善に寄与するこのシステムの導入は、物流業界の今後に大きな影響を与えることでしょう。

補助金申請の重要性

直近期における原油高や円安の影響で、運送業者は厳しい状況に直面しています。この中で、パシフィックコンサルタンツ株式会社からの補助金が大きな支援となることが期待されています。この補助金は、経産省と国交省の連携によって実施されており、システム導入前後での数値比較が必須です。成功した場合には、車載器30台分や工賃の一部をカバーするため、非常に大きな支援となります。

補助金申請の課題

補助金を申請する過程で、鈴与シンワートは多くの障害に直面しました。特に同社のバルク車は片荷運行が多く、実車率が50%を超える中で改善のポイントを見つけるのが難しい状況でした。また、他社の成功事例と自身の運行条件の違いもあって、実施計画の策定に苦労した点が挙げられます。

思いもよらない効果

計画の立案にあたり、配送プロセスを細かく見直すことで無駄を洗い出し、改善点を見つけることができました。これにより、新たな知見が得られ、今後の業務改善の基盤となるアイデアを得ることができたのは大きな収穫です。

新システムに期待すること

鈴与シンワートは新たな運行管理システムに多くの期待を寄せています。特に、ドライバー不足の解消や勤怠管理の可視化、他のシステムとの連携が挙げられます。新しいシステムによって、入社したばかりの運転手でも迷うことなく運転できるサポートが得られ、職場環境の改善が期待されます。

勤怠管理の面でも、法令に基づく運転時間と休憩時間の適切な把握が可能となり、コンプライアンスの徹底が期待されています。また、既存の管理業務システムとの連携により、業務の自動化も進み、作業の効率化が図れます。