池上高志教授がQuantumCoreの技術顧問に就任
世界的に著名な人工生命の研究者である池上高志教授(東京大学)が、株式会社QuantumCoreの技術顧問に就任しました。これにより、同社の多変量時系列データ解析技術の開発が加速することが期待されています。
QuantumCoreと池上高志教授の出会い
株式会社QuantumCoreは、東京都品川区に本社を置く企業で、ディープラーニングを超える性能を持つ多変量時系列処理ソリューションを手掛けています。池上教授は、レザバーコンピューティング(Reservoir Computing)を専門とし、複雑系科学において豊富な知見を持っています。その経験を生かし、QuantumCoreの技術ベースをさらに進化させることを目指しています。
レザバーコンピューティングとは
レザバーコンピューティングは、ダイナミクスを持つ様々な物質を利用した新しい計算方式です。この手法は入力層、中間層(リザーバ層)、出力層の3層から構成され、特にリカレントニューラルネットワーク(RNN)として注目されています。このシステムでは、通常の深層学習アルゴリズムとは異なり、中間層を計算の溜め池として使用してデータの特徴を抽出します。そして、学習時のデータ量や計算リソースを大幅に削減することが可能です。これにより、新たなデータ解析の時代が開かれるでしょう。
QuantumCoreの革新技術
QuantumCoreが開発したQoreシリーズは、レザバーコンピューティングのメリットを最大限に利用した製品です。特に、少ないデータ量でディープラーニングのLSTMを超える分類を可能にし、従来難しかった異常検知などにおいて、その能力を発揮します。この新技術は、データをCSVファイル形式でアップロードするだけでAPIを生成でき、経済的なコストを抑えることも特徴です。
池上高志教授の見解
池上教授は、技術顧問就任に際して「現代は新たな計算システムが求められており、その中でもリザーバコンピュータは大きな可能性を秘めている」と述べています。彼は、今後10年、20年のうちにまったく新しいコンピュータが登場し、それによって新たな科学技術が生まれると期待しています。QuantumCoreがその開発の最前線を担う企業として位置づけられることを期待しているとのことです。
池上教授のプロフィール
池上高志教授は1961年に長野県で生まれ、東京大学大学院で教鞭をとる一方、メディアアーティストとしても知られています。彼の研究は、複雑系や人工生命の分野で新たな地平を切り拓き、多くの業績を残しています。その著書には「人間と機械のあいだ」などがあり、現在でも研究活動を続けています。
会社概要
池上教授が関与することによって、新たな解析技術の発展が期待されるQuantumCore。今後の成長と成果に注目が集まります。