イーグロース株式会社、新たな医用画像解析プラットフォームを発表
イーグロース株式会社が自社製品「Growth RTV」に追加機能を加え、3D医用画像の深層学習向けデータ生成支援プラットフォームを発表しました。この新たなプラットフォームは、医療現場における画像解析の効率を大幅に向上させることを目指しています。
DICOM-RTデータの重要性
医用画像解析において、DICOM-RTデータは特に価値のある資源です。このデータはCTスキャン画像と臓器の輪郭情報が一体となっていますが、これまで簡単に素早く解析したり再構成したりするための具体的なツールが欠如していました。そのため、研究者は手間のかかる外注作業を強いられ、大きなコストが生じていました。
そこで、イーグロースは自社の解析ツール「Growth RTV」を通して、ユーザーがPythonを利用することで、DICOM画像の知識がなくても簡単に3D画像データを抽出・加工できる環境を整えました。この機能により、臓器抽出などの深層学習に必要なデータを得ることが可能になり、研究がスムーズに進むことが期待されています。
プラットフォームの機能
この新しい医用画像解析プラットフォームは、データアクセス用のPythonクラスと組み込み型Pythonエンジンを提供します。具体的には、次のような機能があります。
- - 指定フォルダ内のCT/MRI/DICOM-RTデータの読み込み
- - 3D再構成された画像データの抽出
- - 臓器領域の抽出
- - 線量分布の抽出
- - 画像の解像度変更
- - 臓器データのエクスポート
- - 臓器領域の追加定義
- - 自動呼び出し機能
このプラットフォームを使用すれば、数行のPythonコードで複数のデータ処理が可能となり、さまざまな研究開発に活用できるようになります。
活用事例
この新しい機能を用いることで、例えば、複数のDICOM CTデータから深層学習用の3D CTデータを自動で生成できるようになります。実際の研究事例では、大量のDICOM CTデータを利用して、CTスライス間の補間を学習させ、疎なCT画像から細かなCT画像を生成する「Deep Interp」という技術が開発されています。
リリース予定とOEM製品への搭載
「Growth RTV」を搭載したベータ版は2024年2月21日からリリース予定で、ユーザーフィードバックを受けて4月以降に正式版を提供する計画です。また、OEM製品「iVAS®」にも搭載予定で、さらに多くの医療機関がこの新機能を活用できるようになります。
共同研究と今後の展望
イーグロースは現在、複数の医療機関や大学との共同研究を進めており、今後の技術展開や新たなビジネスパートナーの募集も行っています。これにより、医療現場の様々な課題を解決し、国内医療産業の技術向上を図ることを目指しています。
イーグロース株式会社は医用画像処理の専門企業として、高度な技術を用いた製品開発を続けており、医療現場での課題解決に貢献しています。