ヒューマノーム研究所が革新的な創薬モデル開発に着手
株式会社ヒューマノーム研究所(東京都中央区)は、新薬開発のプロセスを大幅に加速させるべく、遺伝子発現量に基づく生成AI技術の研究開発を開始しました。このプロジェクトは、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共同事業「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の一環として位置付けられています。具体的には、基盤モデルの開発やAI技術の実証調査を行うものです。
創薬支援の新領域
今回の取り組みは、特に新薬開発の進化に合わせたものです。世界的な高齢化や個別化医療の需要が高まる中で、創薬市場はますます拡大しています。近年では従来の薬剤だけでなく、mRNA医薬品や抗体医薬といった新しいモダリティの登場しています。ヒューマノーム研究所はこれらの新たな治療法に着目し、生成AIを活用した基盤モデルの開発提案が採択されました。
遺伝子発現に基づく研究アプローチ
新薬の研究開発にかかるコストは膨大で、通常10年以上の時間と1000億円以上の投資が必要とされますが、新規モダリティの場合、過去に類似した実験があまり行われていないため、薬剤の生体への影響を予測することが困難です。このプロジェクトでは、文献検索などの従来のデータ解析に代わり、細胞内の状態を示す遺伝子発現量を基に過去の実験結果を探り、生体への影響を予測するAIモデルを開発します。
難易度の高い臨床試験への対応
ヒューマノーム研究所は、この基盤モデルが医薬品の臨床試験の成功率を高め、創薬のコスト削減に貢献できると期待しています。長期間にわたる研究と資金を要する新薬開発において、AIを活用した新しいアプローチが重要視されているのです。
事業実施の詳細
このプロジェクトの実施期間は、交付決定日から2025年4月までを予定しています。開発されたモデルはライセンス形式やSaaS形式で公開される予定であり、データやノウハウについても責任を持って利用規約のもとに共有される事が想定されます。
ヒューマノーム研究所について
ヒューマノーム研究所は、AIとデータ解析技術を駆使し、生命科学の探求に注力している企業です。新しい創薬や医療の発展に寄与すべく、様々な研究機関や大学と協力しながら、先端技術の研究開発を行っています。公式ウェブサイトでは、同社の最新情報やプロジェクトの進捗についても確認できます。
このプロジェクトは、創薬の未来を変える大きな一歩となるでしょう。今後の成果に目が離せません。