児童養護施設出身者が語る進学の現実
12月1日、大阪にて開催される「児童養護施設で育った私たちのリアル。お金を原因に夢や進学を諦めないで!」というパネルディスカッションが注目を集めています。このイベントでは、児童養護施設で育った3名の出身者が登壇し、彼らの実体験を踏まえた進学に関する現実や課題について話し合います。
ゆめさぽの役割と目指すもの
「ゆめさぽ」は、児童養護施設や里親のもとで暮らす子どもたちの進学を支援するための一般社団法人です。現在、多くの施設出身者が進学の夢を奨励されても、実際の進学率はわずか14%にとどまっています。その大きな理由の一つが経済的な困難です。進学に伴う金銭的な支援制度は存在していますが、試験費用をカバーしているケースはあまりなく、実体に合った支援が求められています。
ゆめさぽは、これらの現実を考慮し、受験にかかる費用を支援する「大学等入学検定料助成制度」などを通じて、貧困問題を解決しようとしています。彼らの活動は、単なる資金援助にとどまらず、各々の夢の実現を後押しする形で展開されています。
施設出身者の声を聴く大切さ
座談会では、コーディネーターを務める田中れいかさんを含む3名の施設出身者が当事者としての視点から、進学に対する悩みや葛藤についてリアルに語ります。進学を目指す子どもたちにとって、同じ境遇に立つ出身者の意見は貴重な指針となり得ます。また、座談会は、一般の方々にも施設での生活や出身者の支援の必要性を知ってもらう貴重な場となるでしょう。
活動の広がり
ゆめさぽは、過去1年間の活動を通じて様々な企業や団体と協力し、イベントを実施してきました。例えば、株式会社サニーサイドやソルト・コンソーシアム株式会社などと連携し、資金を集めるイベントも企画。売上の一部は進学支援に寄付されています。SNSやWEBサイトを通じては、施設で暮らす子どもたちの実態を伝え、理解を広めることにも取り組んでいます。
書籍の発刊と進学支援
12月6日には、代表理事の田中れいかさんが、自らの経験をもとにした書籍「児童養護施設という私のおうち」を発刊します。本書では児童養護施設で生きる子どもたちの実情と抱える課題を掘り下げており、各種データや意見が盛り込まれています。.
仲間とともに夢を追い求める
進学へ挑戦する子どもたちが同じスタートラインに立てるよう、彼らの努力と支援者の取り組みがどのように結びつくのかが、今後の日本を形作る重要な要素となるでしょう。冬に開催されるこの座談会は、多様性とフェアな社会を目指す上で、特に意味のあるイベントとなるに違いありません。興味のある方々は、是非とも参加してみてはいかがでしょうか。
イベント詳細
- - 開催日: 2021年12月1日(水)
- - 時間: 13:00~15:00(開場12:30)
- - 場所: 大阪調理製菓専門学校
- - 参加申込: メールまたはウェブフォーム
- - 生配信あり: YouTubeでのライブ配信も実施