アッヴィ、FL治療薬承認
2024-07-18 12:03:13

アッヴィ、再発・難治性濾胞性リンパ腫治療薬「EPKINLY」の米国FDA承認取得

アッヴィは、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)の治療薬として、EPKINLY(エプコリタマブ)が米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表しました。EPKINLYは、2回以上の前治療後に再発又は難治性となったFLの成人患者さんを対象とした、皮下投与によるT細胞誘導二重特異性抗体として、米国で初めてかつ唯一の承認となります。

今回の承認は、FDAの迅速承認プログラムに基づき、全奏効率(ORR)および効果の持続性に基づいて認められました。この承認の継続には、検証試験において臨床的有用性を検証、説明することが条件となります。

EPKINLYは、アッヴィとジェンマブ社のがん領域における提携関係の下、共同開発された薬剤です。両社は、米国および日本においては、共同で商業化を担い、グローバルにおけるさらなる商業化についてはアッヴィが担当します。

FLは、Bリンパ球から発生する非ホジキンリンパ腫(NHL)の1つで、通常は低悪性度(進行が緩徐)です。FLは、NHLのうち2番目に多い一般的な病型であり、NHLの全症例の20~30%を占めています。米国では毎年約15,000人がFLを発症し、現在の標準治療では治癒不能と考えられています。患者さんは多くの場合において再発を繰り返し、再発するたびに、次の治療までの寛解期間が短縮されます。25%以上のFL患者さんは生存率が低く、NHLの悪性度の高い病型であるDLBCLへ徐々に転化していく可能性があります。

EPKINLYの承認は、再発又は難治性のFLの患者さん、特に他の治療が奏功しなかった場合の治療に、新たな治療選択肢を提供するものです。EPKINLYでの治療により、多くの患者さんで良好かつ長期にわたる奏効が示されました。皮下投与は簡便性が高く、患者さんは入院を必須とせずに3段階のステップアップ用量レジメンにてEPKINLYの投与を受けることが可能です。

FDAによる承認は、第I/II相EPCORE® NHL-1試験の結果に基づくものです。この試験では、過去に3次治療(中央値)を受けたR/RのFLの成人患者さん127名、そのうち70%が2剤に治療抵抗性の患者さんを対象として、EPKINLYの安全性および有効性を評価しました。

試験結果では、ORR(試験の主要評価項目)82%、完全奏効(CR)率60%および部分奏効(PR)率22%が示されました。奏効した患者さんでの追跡期間中央値14.8ヵ月時点で、この試験で治療に対し効果が認められた患者さんの半数超において、治療の効果が維持されていました(奏効期間中央値は未到達)。

合計213名の患者さんで安全性を評価しました。2段階ステップアップ用量レジメンで投与を受けた127名の患者さんを対象にした単群試験である、EPCORE NHL-1試験において目標用量48 mgでEPKINLYの安全性を評価しました。最も高い頻度(20%以上)でみられた有害反応は、注射部位反応、サイトカイン放出症候群(CRS)、新型コロナウイルス感染症、疲労、上気道感染、筋骨格痛、発疹、下痢、発熱、咳および頭痛でした。

別途設定した投与用量最適化コホートでは、CRS低減のために3段階ステップアップ用量レジメンで86名を評価しました。この3段階ステップアップ用量レジメンの総投与量での初回投与については、入院は必須としませんでした。3段階ステップアップ用量レジメンでEPKINLYを投与されたFL患者さんには、グレード3のCRSは認められませんでした。

ジェンマブ社の独自技術DuoBody(R)を用いて創製されたIgG1二重特異性抗体であるエプコリタマブは、皮下投与されます。ジェンマブ社のDuoBody-CD3技術は、細胞傷害性T細胞に選択的に作用し、標的細胞に対する免疫反応を誘導する技術です。エプコリタマブは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合するよう設計されており、T細胞によるCD20陽性細胞傷害を誘導します。

エプコリタマブは、米国では製品名EPKINLY(R)で承認、欧州連合では製品名TEPKINLY(R)で承認されています。アッヴィは、国際市場において、今後もエプコリタマブに関する規制当局への申請を継続していきます。ジェンマブ社とアッヴィは、血液悪性腫瘍の複数の治療ラインにおいて、エプコリタマブの単剤および併用療法としての評価を継続しています。

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