柳宗理の名作が新たな形で登場
約2年半の開発期間を経て、陶磁器メーカーのニッコー株式会社から「柳宗理 ボーンチャイナシリーズ KIKYO」が2024年11月28日(木)に販売されることが決定しました。この新しいシリーズは、日本を代表する工業デザイナーである柳宗理の『松村硬質陶器KIKYOシリーズ』をもとにしたもので、買い手の目を引く美しい絵柄が特徴です。
復刻の背景と魅力
「柳宗理 ボーンチャイナシリーズ」は、その美しさだけでなく、高い機能性も兼ね備えています。特に、今回復刻された「松村硬質陶器シリーズ KIKYO」は、戦後すぐの1948年頃に海外市場向けにデザインされたもので、非常に貴重なものであり、使用されていた絵柄の由来は明らかではありませんが、柳宗理本人が描いた繊細なモチーフです。この絵柄は、イングレーズ加工技法を使用して純白のNIKKO FINE BONE CHINAに再現されています。
このプロジェクトは、ニッコーが「良いものに再び光を当て、未来へとつなげていく」という信念の下で進められました。多くの人々に愛され続けてきたこのシリーズの新たな姿を、一緒に楽しむ機会となるでしょう。
商品のラインナップ
復刻された商品ラインナップは以下の通りです:
- - 17cmプレート: ¥3,080
- - 19cmプレート: ¥3,520
- - 23cmプレート: ¥5,060
- - 15cmボール: ¥3,080
- - 19cmボール: ¥3,630
- - 32cmプラター: ¥10,560
これらの器は、高級感あふれるデザインと共に、どんなテーブルコーディネートにも調和する魅力を持っています。価格は税込みでの表示となっています。
開発の苦労と成果
復刻に際しては、金沢市に保管されている当時の「松村硬質陶器シリーズ KIKYO」の現物を高精細に撮影し、それを基に形や絵柄を再現しました。開発期間中は多くの試行錯誤があったようで、ようやく完成したアイテムです。
「柳宗理 ボーンチャイナシリーズ KIKYO」は、1990年に復刻された「松村硬質陶器N型シリーズ」の白無地の器を基にしており、さらなるコーディネートの楽しさを提供します。すべての商品は、公式オンラインショップや旗艦店でも販売される予定です。
柳宗理とその業績
柳宗理(1915-2011)は日本の代表的な工業デザイナーであり、数々の名作を世に送り出しました。彼の作品の中には、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久所蔵されている「バタフライスツール」など、広範な分野でのデザインが含まれています。さらに、彼は約50年間、金沢美術工芸大学の教授として後進の育成にも尽力しました。
常設展示とデザイン理念
柳宗理のデザイン理念を受け継ぐ「YANAGI DESIGN」は、1953年に設立され、使い手の視点を重視したデザイン手法を継続しています。金沢美術工芸大学には、常設展示が設けられています。柳のデザインを通じて、彼の考えや姿勢に触れることができます。
ニッコーの持続可能なビジョン
ニッコー株式会社は、1908年に創業し、高品質な陶磁器を提供してきました。リサイクル技術の確立や、循環型ビジネスモデルへの転換を目指し、持続可能なものづくりを今日も続けています。器が廃棄されることなく循環する社会の実現を目指し、レストランや農家とも連携しています。
この新たな「柳宗理 ボーンチャイナシリーズ KIKYO」は、そんなニッコーの哲学を反映した、単なる器以上の価値を持つ製品になることでしょう。