通信制高校生の未来を広げる『校内キャリアサロン』ついに始動
2024年9月、千葉県柏市に本拠を持つNPO法人キャリアbaseが、通信制高校内で進路相談を行う新たな取り組み『校内キャリアサロン』をスタートします。このプロジェクトは、通信制高校の生徒が進路に関する不安を抱えた際に、信頼できる大人と気軽に相談できる場所を提供することを目的としています。
校内キャリアサロンの取り組みとは?
『校内キャリアサロン』では、週1回(1回3時間程度)のペースで、通信制高校のキャンパス内にサロンを設置します。オフライン及びオンラインいずれの形式でも運営され、キャリアコンサルタントやカウンセラーなどの有資格者が常駐します。生徒は安心して相談できる場があることで、進路選択やキャリア形成に関する情報やサポートを受けることができます。
この取り組みの背景には、通信制高校生の現状に対する深い理解があります。近年、通信制高校の生徒数は増加の一途をたどっており、2023年度には26万人を超えました。しかし、卒業生のうち約3割が進路未決定のまま卒業するという問題も指摘されています。このサロンを通じて、生徒たちが進路の選択肢を持ち、社会との接続点を見つけられることを目指します。
教育機会の格差をなくすために
キャリアbaseはこれまでに、通信制高校「本部」とのネットワークを活かし、成功事例を各キャンパスに広げ、生徒が平等に教育機会を受けられる環境を整えています。また、民間と学校との連携を強化し、ニッチな領域での就労支援に向けたキャリアサポーターを育成することで、すべての生徒がその才能を十分に発揮できる社会を作り出すことが求められています。
進路未決定が生む社会的孤立
加速する少子化や公立高校の統廃合が進む中、通信制高校が注目されていますが、その一方で卒業生の進路未決定という課題も浮き彫りになっています。通信制高校の生徒の多くが不登校などの背景を持ち、卒業後に社会的孤立を避けるためには、多様な支援が不可欠です。まずは、進路未決定を解消し、次に地域社会とつなげることが重要です。
『校内キャリアサロン』の役割
このサロンでは、個別の就労支援も実施します。希望する生徒には地域企業との接続や面接対策なども提供し、実際の就業に向けた具体的な支援を行います。既に関東・関西圏での8校での設置が決定し、需要の高さがうかがえます。
キャリアサポーターの募集と育成
キャリアbaseでは、学校と連携したキャリアサポーターの募集も行います。講習会を通じて、キャリアコンサルタントやカウンセラーのスキル向上を図り、通信制高校生の支援に特化した人材を育成していきます。2024年8月には、1級キャリアコンサルティング技能士を招いての講習も予定されています。
まとめ
『校内キャリアサロン』は、通信制高校生が将来に向けて自分の道を見つけるための重要な支援の場となることでしょう。株式会社と高校、そして地域社会が連携し、全ての生徒が自立した社会人としての一歩を踏み出せるよう、キャリアbaseの取り組みに注目が集まります。このサロンの設置に興味がある方や、活動に参加したい方は、キャリアbaseのホームページからお問い合わせください。