若者のビール離れは本当?レシートデータが語る変化
近年、若者のビール離れが叫ばれています。様々な調査で「多様性の時代で『とりあえず生』の文化が薄れた」「健康志向の高まり」「ビールの味が苦手」といった理由が挙げられていますが、実際のところはどうなのでしょうか?
国内最多10億枚以上のレシート購買データを収集するレシート買取アプリ「ONE」が、アルコール飲料の購買傾向について調査を実施しました。今回は、ONEのデータを基に、若者のビール離れの現状と、ビールを好む若者の特徴について詳しく解説していきます。
若者のアルコール飲料購入は中高年より少ない
2024年9月30日時点でのアルコール飲料の年間購買動向を見ると、最も購入されているジャンルは「ビール類」、次いで「チューハイ・サワー」という結果になりました。これらのジャンルは、他のアルコール飲料と比べて圧倒的に購入率が高く、アルコール飲料の定番ジャンルと言えるでしょう。
しかし、年代別の購買動向を分析すると、若者(20〜34歳)は、中高年と比べてアルコール飲料全体の購入頻度が低い傾向が見られました。特に、20〜34歳の女性は、他の年代層と比べてアルコール飲料の購入率が著しく低くなっています。
アルコールを飲まない若者は何を買い、どんな楽しみ方をしているのか?
では、アルコールを飲まない若者は、代わりに何を買い、どんな楽しみ方をしているのでしょうか?
若者のアルコール購買者と非購買者を比較したリフト値分析の結果、「健康食品」「ボディケア化粧品」「ヘアメイク」「基礎化粧品」などの美容関連商品や、「デザート・ヨーグルト」「菓子」「パン・シリアル類」「アイスクリーム類」といったスイーツや菓子類の購買率が高いことが明らかになりました。
また、利用店舗別では、「道路料金所」「空港・航空業」「理容・美容」など、旅行やレジャー、美容関連の店舗の利用率が高い傾向が見られます。
これらの結果から、アルコールを飲まない若者は、飲む若者に比べて健康や美容、趣味などに投資する傾向が強いことが示唆されます。
若者のビール離れは明らか!ビールの購入頻度は中高年の半分以下
年代別にビール類の購買率を比較すると、中高年と比べて若者の購入率が低いことが明らかになりました。特に、20〜34歳の女性は、他の年代層と比べてビール類の購入率が半分以下となっています。
さらに、ビール類の購買頻度を詳細に分析した結果、20〜34歳の若者は、中高年に比べて「絶対にビールが飲みたい」という強いこだわりが少なく、他のアルコール飲料と選択肢として捉えている可能性が示唆されました。
ビールを飲む若者はどんな人?購買データから見えてきた特徴
では、ビールを好んで飲む若者は、どのような特徴を持っているのでしょうか?
ビール類の購買データを分析した結果、ビールを頻繁に飲む若者は、中高年と比べて世帯年収が高く、本物のビールにこだわる傾向があることがわかりました。
また、ビール類を頻繁に飲む若者は、チューハイ・サワーも頻繁に購入している傾向があり、ビールだけでなく、様々なアルコール飲料を楽しむ傾向があると考えられます。
ビールメーカーが若者のビール飲用を取り戻すために
今回の調査結果から、若者のビール離れは、健康志向の高まりや価値観の変化といった社会的な背景が影響していることが推測されます。
ビールメーカーが若者のビール飲用を取り戻すためには、若者のニーズに合わせた商品開発やマーケティング戦略が必要となります。例えば、
若者のビール購買者に対しては、高品質でリッチなビールを提供する
若者のビール購買ライト層や非購買者に対しては、趣味と合わせてビールを楽しめるようなコンテンツを提供する
といった取り組みが考えられます。
まとめ
レシート買取アプリ「ONE」のデータ分析を通して、若者のアルコール飲料購入傾向、特にビール離れの現状と、ビールを好む若者の特徴が見えてきました。
企業は、データ分析を活用することで、消費者の行動やニーズを深く理解し、より効果的なマーケティング戦略を立案することができます。
「ONE」は、今後も様々なデータを活用することで、消費者の理解を深め、より良い社会の実現に貢献していきます。