サグリ株式会社が特許取得、農地のGHG排出量を正確に算出
サグリ株式会社が、農地の温室効果ガス(GHG)排出量を推定・算出する技術に関する特許を取得した。この技術の特徴とそれがもたらす影響について詳しく見ていこう。
環境保護の重要性と農業分野の課題
近年、環境意識の高まりから温室効果ガスの削減が求められる中、農業分野でもGHG排出量を適切に管理し、削減することが求められています。しかし、農業現場では営農状況によって排出量が変動するため、正確な算出が困難でした。また、算出後の改善策を見つけることも容易ではありませんでした。このような課題を解決するために、サグリは特許を取得し、革新的な技術を開発しました。
特許の技術概要
サグリが取得した特許は、農業でのGHG排出量の正確な算出を可能にし、営農状況に関する具体的な情報提供を行います。以下の主要な特徴を備えています。
スキャンデータの取得と解析
本技術では、人工衛星やドローンを利用した農地のスキャンデータを取得し、これを解析します。これにより、農地ごとの詳細な情報を把握することが可能です。
営農状況の推定
解析したデータに基づき、土壌の状態や作物の種類、休耕地の有無など、農地の営農状況を推定します。この情報はGHG排出量を算出するための基礎データとなります。
GHG排出量の算出
推定した営農状況をもとに、具体的なGHG排出量を算出します。これにより、農家は自らの営農活動が環境に与える影響を正確に把握できます。
環境改善のための提案
特に注目すべきは、推定結果に基づいたGHG排出量削減のための具体的な改善案の提示です。また、特定の作物が適している農地を推薦する情報も提供され、農業者にとって使いやすいサポートとなるでしょう。
今後の展望
サグリは、取得した特許技術を活用し、農業分野におけるGHG排出量の「見える化」を進めていく方針です。「SagriVision」というサービスを通じて、生産者には環境に優しい営農を、事業者にはサプライチェーン全体の持続可能性を実現するソリューションを提供したいと考えています。
サグリ株式会社とは
サグリは、2018年に兵庫県で設立されたインパクトスタートアップであり、持続可能な農業や地球環境の課題解決を目指しています。同社は、AIを活用した衛星データ解析技術を駆使し、様々な農業支援サービスを展開しています。特に、耕作放棄地や作物の検出、農地のカーボントレーサビリティーに関するソリューションが注目されています。
2023年には様々な賞を受賞し、政府の支援を受けるなど、業界内での存在感を高めています。今後も、サグリは更なる革新を追求し、持続可能な社会の実現に貢献していくことでしょう。