三ツ矢サイダーとウィルキンソン、栄誉ある受賞
近年、アサヒ飲料株式会社が誇る2つのブランド、三ツ矢サイダーとウィルキンソンが、「日本ネーミング大賞2024」において、レジェンド賞を受賞しました。この受賞は、どちらのネーミングも長い歴史と愛され続けた存在であることが高く評価された結果です。日本ネーミング協会が主催するこの賞は、製品のネーミングが持つ重要性を広めるために設立され、特に伝統的で秀逸な名称に光を当てています。
三ツ矢サイダー - 140年の歴史を持つブランド
1884年に誕生した三ツ矢サイダーは、兵庫県多田村の自然由来の鉱泉水を基にした飲料としてスタートしました。当初は「平野水」として販売され、1899年には「三ツ矢」の商標が登録されたのです。1969年からは現在の名称での販売を開始し、2024年には140周年を迎える予定です。
このブランド名の「三ツ矢」は、平安時代の伝説から由来しています。源満仲が発した矢が多田の龍に命中した際、彼に与えられた名が「三ツ矢」だったのです。さらに、サイダーという名称の由来には、香り成分の使用が関係しています。サイダーフレーバーエッセンスを用いることからその名称が使われ、サイダーという言葉が一般に広がっていくことになりました。
三ツ矢サイダーの特徴
三ツ矢サイダーの魅力は、清らかで透明感のある仕上がりです。3つの誓いである「磨かれた水」「果実を活かした香り」「非加熱製法」を守り続け、消費者に爽快感を提供しています。長年愛されている理由は、これらの品質管理にあると言えるでしょう。
ウィルキンソン - 120年以上の伝統
一方、ウィルキンソンは1889年に英国人ジョン・クリフォード・ウィルキンソンによって発見された鉱泉を基にしており、1890年から「宝塚ミネラルウォーター」として販売が始まりました。初の商標登録は1893年で、そして1904年には現在の名称で一般向けに販売をスタート。2010年からは無糖炭酸水の飲用提案も行われ、今や定番の商品として国内外で親しまれています。
ウィルキンソンの魅力
ウィルキンソンの名前の由来は創始者の名前から来ており、彼が発見した天然の炭酸水は特に品質が高いとされています。そのため、イギリスに輸出する際にも注目された水であり、今もなお、多くのファンに愛され続けています。ウィルキンソンの製品名にある「TANSAN」は、炭酸水の代名詞にもなっているほど浸透しており、多くの消費者にとって却って安心感を与える存在です。
日本ネーミング大賞の意義
日本ネーミング大賞は、優れたネーミングの選出・表彰を通じて、日本の生活文化や経済の発展を促す目的で設立されました。毎年多数の応募があり、2023年度の商標登録出願件数はなんと164,061件。グローバル化が進む現代社会において、商品のネーミングはその成功に大きく影響を与えます。そのため、優れたネーミングの重要性は一層高まっています。
特に三ツ矢サイダーやウィルキンソンは、それぞれのネーミングが持つ故事や特長を通じて、消費者に根強い印象を与え続けています。今後もこれらのブランドがどのような形で成長していくのか、期待が寄せられています。