博報堂生活総合研究所の生活定点調査
博報堂生活総合研究所は、1992年から隔年で実施している「生活定点」という長期的な調査を行っています。この調査は、生活者の意識や行動の変化を観測することを目的としており、多岐にわたる約1,400項目の質問を基にデータが蓄積されています。今年2024年に実施された調査が32年目を迎え、その結果が発表されました。
コロナ前後の生活者意識の変化
最近の調査では、新型コロナウィルス感染症の扱いが変わったことを受け、コロナ禍前後での意識や行動の変化に着目しています。特に注目すべきは、コロナ禍を経て生活者の意識にどんな影響が出たのかという点です。
回復した傾向
調査データによると、コロナ禍が始まった2020年に一時的に高まった「社会貢献意識」は、現在徐々に低下している傾向にあります。また、外出を伴う「ハレ消費」が2018年の水準に戻っており、これらはコロナ禍前の生活スタイルに復帰していることを示唆しています。生活者は徐々にアクティブな外出を再開するようになっているのです。
定着した新たな傾向
一方、コロナ禍の影響で自然に始まったデジタル生活や「ひとり時間」という新たなライフスタイルが根付きつつあります。調査によると、コロナ禍により人々はデジタル技術の便利さを実感し、それがライフスタイルに顕著な影響を与えました。今後もその利便性から、デジタル化とひとり志向が定着していくことが見込まれています。
このように、コロナ禍を経た生活者の意識は明らかに変化しており、復帰した部分もあれば、新たに根付いた傾向もあるという二面性を持っています。
データの公開
2024年の調査を受け、32年間にわたる1,400項目のデータをウェブサイトで無料公開するため、特設サイトがアップデートされました。切り口を変えたデータの紹介や、視覚的にわかりやすい形でのデータ提示が行われていますので、意外な発見や発想のヒントを得るためのツールとして多くの方に利用していただきたいと思います。
この調査のデータは、企業、官公庁、大学など幅広い用途で活用されており、実際の生活におけるトレンドを知る手助けとなるでしょう。データを基にした深い洞察や考察が今後さらに重要になっていく中で、生活者の変化を見逃さず、我々のライフスタイルにどう影響を与えるかを考察することが求められています。
コロナ禍を経た今、その後の生活者意識の研究はますます重要性を増すでしょう。これにより、未来の生活様式や消費動向を見通すための足がかりとして、意義深い結果が求められます。
詳しい調査結果やデータは
こちらのサイトから確認できます。