バイオメタノール合成法
2025-03-11 16:49:21

常温・常圧での高効率バイオメタノール合成法の開発

新たなバイオメタノール合成法の登場



大阪大学先導的学際研究機構の大久保敬教授を中心とした研究グループが、大和ハウス工業株式会社との連携により、高効率なバイオメタノール合成法を開発しました。この合成法は、常温・常圧下で実現したもので、従来の技術に対し約6倍の変換率を誇ります。

研究の背景と目的


近年、地球温暖化や気候変動の影響により、世界中で異常気象が頻繁に起こっており、温室効果ガス(GHG)の削減が急務となっています。特に、メタンガスはその温暖化係数が二酸化炭素の25倍であり、削減ではなく有効利用が求められています。これを受けて大久保教授のチームは、メタンガスを原料とした効率的なメタノール生成技術の開発に取り組んできました。

開発された合成法の特徴


今回の研究では、バイオガスに含まれるメタンガスを原料とし、反応溶媒としてパーフルオロアルケニルエーテルを使用することで、メタンからメタノールへの変換率を89%にまで引き上げることに成功しました。これは、2017年に開発した従来の合成法における変換率14%を大きく上回るもので、安定したエネルギー効率を実現しています。

環境への配慮とエネルギー削減


従来の工業的手法では、天然ガスなどの化石資源を利用し、50-100気圧や高温条件での処理が必要でしたが、開発された手法ではその必要がなくなり、安定的な合成を行うことが可能です。これにより、投入エネルギーの削減や省エネ化が図れることが期待されています。

研究の今後の展開


今後、両者は共同研究を継続し、さらなる効率化を目指します。また、大和ハウス工業の施設でのバイオメタノールの利用検討や、製造装置の開発、カーボンニュートラル技術への応用を進めることで、この技術の実用化につなげていく考えです。特に、国内市場でほぼ全量輸入に頼っているメタノールの国産化は、経済的にも環境的にも大きな意義を持つでしょう。

メタンガスの光酸化技術


これまでメタンガスからメタノールを合成することは非常に困難な課題でしたが、光化学を利用した新しい技術により、この課題を克服しようとしています。今後もさらなる研究が進められ、メタンガスを有効に利用することが期待されています。

その結果、今回の合成法はバイオメタノールの新たな製造方法として、持続可能なエネルギーの未来へ向けた重要な一歩となるでしょう。研究の進展が持続可能な社会の実現に向けて貢献することを期待したいです。


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大和ハウス工業
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