新たな臨床開発スキームを構築
エクサウィザーズグループの子会社であるExaMDと、EPSグループのイーピーエス株式会社が協力し、AI技術を活用した診断系ソフトウェア医療機器(SaMD)の臨床開発を加速する新しいスキームを構築しました。この取り組みは、日本国内において非常に高いとされる診断系SaMDの臨床開発のハードルを乗り越えるためのものです。
新スキームの目的
日本では、ヘルステック企業や学術機関が診断系SaMDを開発する際、治験にかかる膨大なコストと高度な専門知識の必要性が大きな障壁となっています。ExaMDとEPSは、こうした問題を解決するため、迅速かつ低コストの臨床開発を実現する試みを行いました。新しいスキームは、従来の治験プロセスの無駄を排除し、効率的でスピーディーな開発を目指しています。
臨床開発の特徴
この新しいスキームの中で重視されるのは、診断系SaMDの特殊性です。以下のような特徴が考慮されています:
- - 患者や医師がアプリを使用する際の負担が少ないこと
- - 機器使用による副作用が少ないこと
- - 試験や評価の期間が短いこと
- - 薬剤などの治療に対する詳細な情報が不要であること
このように、診断系SaMDの特性に合わせて臨床開発を再構築することで、よりユーザーフレンドリーな環境を提供しようとしています。
プロジェクトの進行状況と今後の展望
ExaMDは、この新しいスキームを音声会話を用いた認知症診断用のSaMDの治験において実証する計画で、2025年中に実施を予定しています。このスキームは、臨床エビデンスに基づく新しいデジタルヘルスサービスの迅速な開発と社会実装を促進するものです。加えて、医療分野だけでなく健康分野においても新たな市場の形成を目指します。
これまでの取り組みと今後の協力
ExaMDとEPSグループは、2024年8月に業務提携を発表以来、SaMDの工業化を目指して協力関係を築いてきました。それぞれの強みを活かしながら、AI技術の開発から販売までの一貫した仕組みを構築することを目指しています。
今後は、臨床開発以降のフェーズにおける債権管理や販売に関する取り組みについても情報を発信し、業界全体の発展に寄与することを誓っています。この新しいスキームを通じ、診断系SaMDの普及を加速し、社会に新たな価値を提供することが期待されています。
会社情報
ExaMD(株式会社ExaMD)
- - 所在地: 東京都港区芝浦4丁目2−8
- - 設立: 2024年2月
- - 代表者: 羽間 康至
- - 事業内容: 健康・医療分野に特化したAIサービスの開発と提供
- - URL: ExaMD
EPS(イーピーエス株式会社)
- - 所在地: 東京都新宿区下宮比町2-23
- - 設立: 2014年7月
- - 代表者: 髙井 紀幸
- - 事業内容: CRO事業
- - URL: EPS
エクサウィザーズ(株式会社エクサウィザーズ)
- - 所在地: 東京都港区芝浦4丁目2−8
- - 設立: 2016年2月
- - 代表者: 春田 真
- - 事業内容: AIを活用したサービス開発による社会課題の解決
- - URL: エクサウィザーズ