物流DXを実現するブロックチェーン技術の導入
物流業界におけるデジタル革命が進行中です。その一環として、株式会社LOZI、ZEROBILLBANK JAPAN株式会社(以下ZBB)、および東芝デジタルソリューションズ株式会社(以下東芝)は、ブロックチェーン技術を駆使した物流管理システムを開発しました。このシステムは、家電量販店「上新電機」の店舗配送業務に導入され、ドライバーの待機時間を平均で45分も削減する成果が確認されています。
システム導入の背景
上新電機では、帳票や伝票などの紙ドキュメントが多く使用されていました。これにより、事務処理が煩雑になるだけでなく、情報漏洩のリスクが高まっていました。また、ドライバーの拘束時間も長くなり、週に数時間もの時間が無駄に費やされていました。これに対抗するため、上新電機は2024年問題に向けて、ペーパーレス化を進める必要がありました。
構築された物流管理システム
今回のシステムは、LOZIとZBBが共同で開発した物流DX支援パッケージ「Trace Ledger」を中心に、東芝の高度なブロックチェーン基盤「DNCWARE Blockchain+」が組み合わされており、ペーパーレス化による業務効率化を図っています。システムの強みは、LOZIのSmartBarcode技術を用いており、店舗での検品から出荷までの過程をスマートフォンでQRコードを読み取ることで、データを簡単に記録・共有できる点にあります。このデータは確実にブロックチェーン上で管理され、不正行為のリスクを低減します。
期待される効果
1.
ドライバーの拘束時間削減: デジタル化により、ドライバーが現場に到着した際に、即座に検品作業を開始できるようになります。これにより、待機時間の削減が期待され、物流の効率化が進みます。
2.
情報の透明性: 取引履歴がブロックチェーン上で管理されるため、リアルタイムでの追跡が可能になります。これにより、企業間の情報管理がより安全かつ透明になります。
3.
サプライチェーンの最適化: あらゆる物流情報がリアルタイムで共有されるため、異常時にも迅速に対応可能になります。最終的には、効果的なサプライチェーンの構築が目指されます。
各社の役割
- - 三井倉庫ロジスティクス株式会社: 物流業務の裏方として、最新鋭のテクノロジーを活用し、柔軟な物流ソリューションを提供しています。今後も様々な荷主に対してブロックチェーンを用いた管理サービスを提供予定です。
- - 株式会社LOZI: 「SmartBarcode」ソリューションを用いて、トレーサビリティを強化しています。物流のあらゆるフェーズで効果を発揮し、業界の課題に対処します。
- - ZEROBILLBANK JAPAN株式会社: 「Trace Ledger」の技術提供に加えて、デジタル証明書の発行と検証プロセスの革新を目指しています。
- - 東芝デジタルソリューションズ株式会社: IoTやAIなどのデジタル技術を駆使し、グローバルに展開することによって、さまざまなデータを有効活用し新たな価値を創造しています。
結論
この最新の技術導入は、上新電機の業務を進化させるだけでなく、物流業界全体における効率化、持続可能性の向上に寄与することでしょう。今後の展開に注目が集まります。