香りの感性予測をAIがサポート
香りは私たちの日常生活に色彩を加えてくれる大切な要素ですが、その嗅覚の感じ方は人それぞれ異なります。この背後には、性格や認知の仕方といった様々な特性が影響を与えています。そんな香りの多様性を支えるため、NTTデータ経営研究所と一般社団法人応用脳科学コンソーシアム(CAN)は、共同で「香り×人間情報データベース研究会」を設立しました。これは香りに関する官能評価と人間特性を融合させたデータベースの構築を目的としています。
研究会の目的と成果
この研究会では、香りに対する官能評価と、それに関連する個々の人間特性を集約し、AIを用いて香りの反応を予測する「香り×人モデル」の開発を進めています。特に2024年度には、約1,000人から得た官能評価データを基に、企業のニーズに応じた新しい香料特性の把握が進む予定です。このようなデータは香料開発やマーケティングにおいて新たな示唆を与えると期待されています。
研究活動の一環として、2025年度も新たな香りのデジタル化を進める場として研究会を開催することが決定しました。2025年8月4日より、参加企業の募集が開始される予定です。これに先立ち、2024年度には、文部科学省所管の国立研究開発法人JSTの未来社会創造事業によって構築されたモデルを基に、調合香料の共同研究が行われます。
具体的な取り組み内容
研究会では、以下の活動に取り組む予定です:
1.
官能評価データの収集:参加企業は、調合香料を持ち寄り、実際の香りを体験しながらデータを収集し、香料の特性や人の反応傾向を把握します。
2.
香り×人モデルの構築:収集したデータを基に、カスタムモデルを構築し、特定ターゲット層に合わせた香りの反応を可視化します。
3.
消費者反応のAI予測:簡単なアンケートを通じて得た情報をもとに、香りに対する反応パターンをAIで推定し、製品開発に役立てます。
参加企業の期待と声
参加企業からは、可視化されたデータを用いて社内での詳細な分析や仮説検証ができることに喜びの声が寄せられています。また、香り×人モデルが香料開発への新たなヒントを提供し、若年層をターゲットとしたニーズにも対応できるとの期待が高まっています。
今後の展望
香り×人モデルの取り組みは、現場で実際に使用されるツールとして、企業から評価されています。2024年度のさらなる研究活動の強化とともに、ツールの操作性向上やビジネス現場での具体的な事例の蓄積を目指します。2025年度には新たな参加企業を迎え、香りのデジタル化をさらに推進してまいります。
興味をお持ちの企業や団体はぜひ、この研究会に参加し、新しい香りの世界を共に探求してみてはいかがでしょうか。詳しい情報や参加申し込みについては、下記のリンクからご確認ください。
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