2023年10月19日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)は新薬トレムフィア® [一般名:グセルクマブ(遺伝子組換え)] の皮下注製剤が中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)における寛解導入療法として製造販売承認取得の一部変更を行ったことを発表しました。この治療は、既存の治療法で十分な効果が得られなかった患者に対して提供されるものです。
トレムフィア®は、IL23p19阻害剤として、UCおよびクローン病(CD)の導入および維持療法を行う初めての製剤です。製薬業界における画期的な成果として、今後の治療選択肢が大きく広がることが期待されています。
研究結果に基づくトレムフィア®の皮下注射療法は、プラセボ群と比較して12週目において統計的に有意な臨床的寛解率と内視鏡的改善を示しました。具体的には、トレムフィア®を投与された患者の28%が臨床的に寛解したのに対し、プラセボ群ではわずか6%でした。また、内視鏡的改善は37%に達し、プラセボ群の13%を大きく上回りました。これらの結果は、トレムフィア®の臨床的有効性が高いことを示唆しています。
また、トレムフィア®は、静脈注射製剤による導入療法と比較しても、一貫性のある効果を示しました。このことは、患者にとって治療の選択肢が拡大する要因と成るでしょう。
杏林大学の治験責任医師である久松理一教授は、トレムフィア®の皮下注射による寛解導入療法は、安全性と有効性の点で静脈注射と一貫性があると述べ、患者や医療従事者にとって大きな利点であると強調しました。
潰瘍性大腸炎は、日本では約31万人の患者がいるとされ、年々患者数が増加しています。気になる症状には、出血や持続的な下痢、腹痛、体重減少などがあり、精神的なストレスも伴うことが多いため、早期診断と適切な治療が重要です。トレムフィア®の登場により、この病気に苦しむ患者の生活の質が改善されることが期待されます。
J&Jの日本法人の代表、クリス・リーガー氏は、介入を必要とするUC患者にとって、新しい治療法が勤務や学業と治療の両立を助ける可能性があると述べ、国際的なヘルスケアの重要性を再確認しました。トレムフィア®は、今後の潰瘍性大腸炎治療における重要な治療選択肢として、期待が寄せられています。
この新たな承認により、トレムフィア®は、2025年から中等症から重症のUCおよびCDの患者に提供されることになります。トレムフィア®の効果が期待される中、慢性的な免疫関連疾患と闘う患者の生活を豊かにするための取り組みが今後も続けられます。