跡倉ナップの研究史をたどり日本の地質を知る新刊

跡倉ナップと中央構造線に秘められた日本列島の歴史

近代科学社から新たに発行された『跡倉ナップと中央構造線―異地性岩体に秘められた日本列島の歴史―』は、著者小坂和夫氏が跡倉ナップを中心に日本列島の地質研究の歴史を辿る意義ある一冊です。この本は2024年8月30日に発刊される予定で、80年にわたる研究成果を紐解きながら、これまでの研究プロセスや話題を振り返ります。

跡倉ナップとは？

跡倉ナップは、日本の地質において極めて重要な存在であり、中央構造線の形成や西南日本と東北日本との筑波関係を考察する上で欠かせない要素です。著者が提唱する「跡倉問題」は、古くから注目されているテーマであり、現代においても依然と多くの研究が続いています。これを踏まえ、本書では跡倉ナップに関するさまざまな視点や歴史的背景が深く掘り下げられています。

研究の流れと重要性

著者は、跡倉ナップをめぐる研究の流れを振り返り、これまでの文献や資料を基に整理しています。本書を通じて、学生や研究者は跡倉問題の流れやその複雑さを理解し、地質学の観点から日本の歴史を新しい視点で考察できることを目的としています。著者自身も地質学の専門家であり、長年にわたり関東地方の地質調査に従事してきた経験があり、その信頼性は高いと言えるでしょう。

書誌情報

- 書名: 跡倉ナップと中央構造線―異地性岩体に秘められた日本列島の歴史―
- 著者: 小坂和夫
- 仕様: A5判・346頁（印刷版/モノクロ、電子版/一部カラー）
- 価格: 各4,200円（税抜）
- ISBN: 978-4-7649-0704-1C3044（印刷版）、978-4-7649-6082-4C3044（電子版）

今後の展望

本書では、跡倉問題がどのように発展し、現在に至ったのかを詳細に追い、読者にとっての研究の意義を理解できる手助けをしています。日本列島の地質を学ぶ際、この新刊は欠かせない参考資料となるでしょう。

さらに、近代科学社Digitalからの出版は、デジタル技術を駆使し、オンデマンド型の出版社として新しい試みを続けている点も見逃せません。持続可能な出版モデルに対する挑戦は、現代の出版界にも新たな風を吹き込んでいます。

この新刊『跡倉ナップと中央構造線』を通じて、地質学の研究に対する理解が深まり、さらなる興味が喚起されることを期待しています。