羽成長の新発見
2025-01-29 21:49:22

岡山大学の研究が明らかにした羽成長の新メカニズムとは

羽成長を促進する新たなメカニズムの発見



2025年1月29日、国立大学法人岡山大学の研究チームは、プロラクチン(PRL)が羽の成長を促すメカニズムを解明する重要な成果を発表しました。この研究は、初生雛を使い、インスリン様成長因子(IGF)と甲状腺ホルモン(T3)がどのように協力して羽の伸長を実現するのかに焦点を当てています。

研究の背景



鳥類における換羽は、生態や繁殖において重要なプロセスであり、これまでにもPRLやT3の役割は知られていました。また、最近の研究ではIGFの関与も確認されていますが、羽包内でこれらのホルモンがどのように連携しているかについては、長年謎でした。そこで今回の研究は、細胞増殖におけるホルモンの相互作用の解明を目指しました。

研究の方法



研究チームは、初生雛と培養細胞にプロラクチン、IGF、T3ホルモンを投与し、その効果をRT-qPCRや免疫組織化学の技術を用いて調査しました。その結果、PRLがIGFと甲状腺ホルモン活性化酵素(DIO2)の発現を促進し、DIO2が生成するT3およびIGFが正のフィードバックループを形成することが明らかになりました。このフィードバックループは、羽細胞の急速な増殖を促進します。

重要な成果



この成果により、羽の成長メカニズムに関する新たな理解が得られ、換羽に関する未解明の部分が明らかになりました。これにより、ニワトリを含む鳥類全般の生態や繁殖行動についての理解が深まると期待されています。特に、羽の成長が迅速に行われるように調整される仕組みを知ることで、今後の飼育や保存の現場においても応用可能な知見が得られるでしょう。

研究者からの声



野沢優里大学院生は、研究に対する感動を次のように述べています。「学部生の頃からこのテーマに取り組み、その成果を論文としてまとめられたことを嬉しく思います。実家で飼っている文鳥も換羽が始まる季節になると、私の発見した仕組みが影響しているのではないかと自然と考えてしまいます。」

論文情報



この研究成果は、2024年12月17日に国際比較内分泌学会連合の雑誌『General and Comparative Endocrinology』に掲載されました。論文タイトルは「Crosstalk between Prolactin, Insulin-like Growth Factors, and Thyroid Hormones in Feather Growth Regulation in Neonatal Chick Wings」であり、著者には野沢優里氏、相澤清香准教授、竹内栄教授などが名を連ねています。 \こちらから閲覧できます\

まとめ



今回の研究は、長年の謎とされていた羽の成長メカニズムの解明に向けた重要な一歩となるでしょう。さらに、岡山大学の研究者たちが今後どのような新たな発見をしてくれるのか、期待が高まります。これからの研究成果に注目していきたいと思います。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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