クレジットカード不正対策を強化する「MATTE」のリニューアル
はじめに
近年、クレジットカード不正利用が深刻な問題となっています。2023年には541億円に達し、前年からの増加が懸念されています。これを受けて、株式会社ジェーシービー(JCB)と株式会社インテリジェント ウェイブ(IWI)が手を組み、業界初の不正取引情報WEB連携サービス「MATTE」をリニューアルしました。この取り組みは、両社の強みを生かした不正利用対策の一環として位置づけられています。
MATTEのリニューアル内容
「MATTE」のリニューアルによって、JCBブランド以外の国際カードブランドの取引情報も、「MATTE」を通じてリアルタイムで連携可能となりました。この新システムにより、不正利用が発生した際の情報連携がスムーズになり、迅速な対策が実現します。このようなセキュリティ強化は、クレジットカード業界全体にとって重要なステップです。
主な機能
1.
リアルタイム情報連携
JCBブランド以外の取引においても、不正・不審取引の情報をリアルタイムで連携できるようになりました。これにより、カード発行会社や加盟店での不正検知がスムーズに行え、迅速な配送停止が可能になります。
2.
機能拡充
新たにデータ一括登録機能や承認ワークフローが追加され、業務の効率化が図られています。加盟店の協力も得やすくなり、多くの加盟店や決済代行サービス事業者が「MATTE」を導入することになりました。この結果、配送停止依頼の50%以上がスムーズに実施される見込みです。
不正利用の現状と背景
2022年から2023年にかけて、クレジットカード不正利用の被害額は急増しています。特に2024年には、上半期だけで268億円に達しています。この現状を踏まえ、2024年3月には「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました。このガイドラインでは、不正利用対策が強化され、配送停止が重要な手段とされています。
MATTEの今後の展望
今後、JCBとIWIは「MATTE」を基盤とし、加盟店やカード会社への導入を推進します。最終的には、配送停止依頼の80%以上をカード発行会社と加盟店が直接連携できるようにする計画です。この強化された連携により、不正抑止機能の充実が期待されています。
JCBとIWIの協業
JCBとIWIは2023年7月に不正利用対策のための業務提携基本契約を締結しました。この取り組みは、クレジットカード決済の全過程をサポートできる仕組みを目指しています。両社は、業界全体での不正利用対策を推進し、他の国際カードブランドへのサービス提供も検討しています。
まとめ
「MATTE」のリニューアルは、クレジットカード不正対策における重要な一歩となります。JCBとIWIが協力して進めるこの取り組みによって、業界全体での不正利用対策が一層強化されることを期待しています。