東京メトロ、生成AIを活用したヘルプチャットシステムを導入
概要
東京地下鉄株式会社(以下、「東京メトロ」)は、社内業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を強化するため、2024年10月下旬より新しい生成AIを活用した社内向けヘルプチャットシステムを導入します。このシステムは、社員が業務中に生じる疑問点や不明点に対して、登録された社内文書や関連情報を元に自動的に回答を生成し提示するものです。
システムの特徴
この新しいヘルプチャットシステムでは、RAG技術を用いて外部情報からも貴重なデータを取得し、生成AIが関連情報を迅速に検索して回答を提供します。また、社内文書の登録時には、自動的にその文書を構造化する処理が行われ、これにより社員は新規登録や更新作業をより効率的に行えるようになります。文書情報の最新状態を維持することも容易になるのです。
効果検証
東京メトロは、これまで社内での事務業務において、不明点が生じると、イントラネットでの検索や該当部署への問い合わせを行う必要があり、多くの場合で時間を要していました。しかし、昨年から人事や契約関係の一部の部署で生成AIを活用したチャットボットを試験導入し、その効果を評価した結果、業務の効率化に一定の成果があったことから、全社でこのシステムの導入を決定しました。
利用ガイドライン
社員が生成AIを効果的に活用できるよう、東京メトロは2023年度に「生成AIサービス利用ガイドライン」を策定しました。このガイドラインでは、生成AIの特性について社員が理解することが重要であり、特に誤った情報が生成される可能性(いわゆるハルシネーション)についての理解を促進しています。
DX推進の取り組み
東京メトロは、さらに株式番号の「XXX」に関連して、2023年5月1日には経済産業省のDX認定制度に基づき「DX認定事業者」に選ばれました。これは、デジタルガバナンス・コードに則った取り組みが評価された結果です。具体的には、車両情報監視システムの活用や、AIとビッグデータを使用した車両の劣化予測など、国内交通の革新に貢献しています。 また、2024年秋にはAllganize Japan株式会社との協力により、お客様向けのチャットボットにも生成AIを活用していく予定です。
SDGsへの貢献
東京メトログループは、持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みも続けており、特に産業と技術革新の基盤を作る目標に貢献する活動を行っています。全社的な取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に向けた貢献を目指していきます。
まとめ
東京メトロの生成AIを活用したヘルプチャットシステムは、社内業務の効率化と生産性向上を促進する画期的な試みです。今後も、これらの施策を通じて業務のデジタル化を進めていくことで、新たな価値創出に繋げていくことでしょう。