日本酒の新境地。「HOP HOP」誕生の背景
日本酒界に新たな風が吹いています。福島県の酒蔵「haccoba」と、東京都奥多摩のクラフトビールメーカー「VERTERE」が手を組み、使用済みホップをアップサイクルして醸造したお酒、「HOP HOP」が2025年8月8日に発売されることが発表されました。この革新的な試みは、地域資源を循環させる新しい酒作りの形として注目を集めています。
haccobaは2021年に設立され、「自由な酒づくり」をテーマに掲げている酒蔵です。かつての日本では、家庭で様々な原料を用いた酒造りが行われていましたが、明治時代以降の免許制度によりその自由が制限されてしまいました。haccobaはその伝統を受け継ぎ、自由な酒作りの楽しさを再発見することを目指しています。
アップサイクルの取り組み
「HOP HOP」は、クラフトビールに多く使用された後のホップを再生し、日本酒の醸造過程に加えたものです。この特別なホップのアップサイクルは、haccobaとVERTEREがタッグを組むことで実現しました。使用済みのホップには特有のトロピカルフルーツや柑橘の香りが含まれていますが、再生することによってそのアロマが変化し、フローラルでウッディな香りへと進化します。この過程で、山椒の新芽を少し加えることで、味わいの深みとアクセントを与えています。
地域文化の再興
haccobaは、酒造りだけでなく地域文化の復興にも尽力しています。2021年には福島県南相馬市に醸造所を設立し、地域に自律的な文化を根付かせることを目標としています。これは、単にお酒を作るだけでなく、地域の人々、特に若い世代に向けて新しい酒文化を発信していく取り組みです。彼らは「自由な酒づくり」を通じて、コミュニティの活性化を図っています。
商品情報
「HOP HOP」の販売は、2025年8月から開始され、価格は2,750円(税込)、内容量は500mlです。店舗販売はhaccobaのオンラインストアや、小高駅舎醸造所などで行われる予定です。消費者は、未利用リソースを利用した独自の味わいを楽しむことができ、エコの観点からも支持を受けることでしょう。この取り組みが国内外の酒造りに新しいインスピレーションを与えることが期待されています。
結論
「HOP HOP」の誕生は、持続可能なものづくりの先駆けとして、地域コミュニティや酒文化に対する新たなアプローチを示唆しています。酒造りの垣根を越え、よりクリエイティブかつサステイナブルな未来を描いていくhaccobaのビジョンは、私たちに「酒」の新たな楽しみ方を提案しているのです。これからの展開に注目したいですね。