伝統建築の魅力が蘇る!建築物省エネ法が進化し、気候風土適応住宅に3つの新仕様が追加

伝統建築と省エネ性能の両立!気候風土適応住宅に3つの新仕様が追加



国土交通省は、建築物省エネ法に基づく気候風土適応住宅の仕様を見直し、新たに3つの仕様を追加しました。これにより、伝統的な建築様式を取り入れた住宅の省エネ基準適用除外が恒久化され、日本の伝統建築の継承と省エネ性能の両立が促進されます。

伝統的な建築様式の保全と省エネ性能の向上を両立



建築物省エネ法では、断熱性能基準に適合することが困難な伝統的な建築様式を採用した住宅を「気候風土適応住宅」として、断熱性能基準の適用を除外しています。今回の見直しでは、この気候風土適応住宅の仕様に、新たに「茅葺き屋根」「面戸板現し」「せがい造り」の3つが追加されました。

これらの伝統的な建築様式は、地域の気候風土に適応した優れた技術が用いられており、現代においてもその価値が見直されています。しかし、断熱性能基準を満たすことが難しいことから、近年ではその採用が減少傾向にあります。

今回の仕様追加により、これらの伝統的な建築様式を採用した住宅でも、省エネ基準の適用除外を受けることが可能となり、伝統建築の保全と省エネ性能の向上を両立させることが期待されています。

気候風土適応住宅の要件を定める告示の改正



今回の改正では、気候風土適応住宅の要件を定める告示が改正され、新たに3つの仕様が追加されました。

  • - 茅葺き屋根: 茅葺き屋根は、古くから日本の伝統的な屋根として用いられてきました。優れた断熱性と遮音性を持ち、夏は涼しく冬は暖かいという特徴があります。
  • - 面戸板現し: 面戸板現しは、木製の壁面をそのまま露出させたものです。木材の調湿効果によって、室内の湿度を快適に保ちます。
  • - せがい造り: せがい造りは、土壁を積み重ねて造られた壁です。土壁は、優れた調湿性と断熱性を持ち、室内の温度や湿度を快適に保ちます。

これらの仕様を追加することで、より多くの伝統的な建築様式を採用した住宅が、省エネ基準の適用除外を受けることが可能となります。

伝統建築の継承と省エネ性能の両立を促進



今回の改正によって、伝統的な建築様式を採用した住宅の建築が促進されることが期待されます。これにより、日本の伝統建築の継承と省エネ性能の両立が実現し、より持続可能な社会の実現に貢献すると考えられます。

建築実務者向けの解説資料も改訂



国土交通省は、建築実務者向けの「気候風土適応住宅の解説」を改訂し、今回の改正内容を分かりやすく解説しています。気候風土適応住宅を設計する際には、この解説資料を参考にしてください。

日本の伝統建築の魅力を再認識



今回の改正は、日本の伝統建築の魅力を再認識する良い機会となるでしょう。伝統的な建築様式を取り入れた住宅は、省エネ性能だけでなく、住み心地の良さやデザイン性も高く評価されています。

今後、より多くの住宅で、伝統的な建築様式が採用され、日本の伝統建築が新たな形で息吹を吹き込まれることを期待しています。

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