2025年夏季賞与・一時金の妥結水準調査結果を考察する

2025年夏季賞与・一時金の妥結水準調査結果

近年、企業の賞与や一時金が従業員にとって重要な収入源となっています。そして、2025年の夏季賞与・一時金に関する調査結果が発表されました。また、この調査は一般財団法人労務行政研究所によるもので、対象は東証プライム上場企業114社に及びます。ここでは、その調査結果を概観し、賞与の傾向について考察していきます。

調査の概要

調査は2025年3月12日から4月8日まで行われ、夏季賞与・一時金の支給水準や支給月数について総合的に集計されました。特に、2025年の賃上げ交渉と同時期に実施され、114社からのデータを元に、平均支給額や各業種の動向が明らかにされています。

支給水準の動向

2025年の全業種平均の夏季賞与・一時金は86万円2928円に達し、これは前年同時期比で3.8%の増加となっています。製造業においては3.7%、非製造業では4.8%の増加が見られるなど、全体として堅調な推移を示しています。この調査結果は、2021年以降続く回復傾向を裏付けるものであり、特にコロナからの回復が伺えます。

支給月数の変化

興味深いのは、今季の支給月数が全産業平均で2.55カ月という点です。2024年の同じ時期の実績は2.58カ月であり、わずかに減少しています。最高支給月数は3.96カ月に対し、最低は1.35カ月という結果も浮き彫りになりました。これも業種により差があり、今後の動向を注視する必要があります。

過去の推移との比較

過去数年における夏季賞与・一時金の動向も確認してみましょう。2021年にはコロナ禍の影響から71万397円と大幅に減少しましたが、2022年にはいきなり76万5888円にまで回復。これ以降、4年連続で増加していることがわかります。賞与の変動に敏感な日本経済の動向を象徴する結果とも言えます。

調査の方法と信頼性

この調査は、労働組合が主要単産に加盟している企業を対象とし、集計社数は114社にのぼります。調査の集計結果は、単純平均で算出され、一部は「年齢ポイント」や「全従業員平均」による値を取り入れることも特徴です。これは、各社の実状に即したデータを反映しているため、より実態に即した結果に仕上がっています。実際の表や図については、こちらのリンクにご参照ください。