アズワン株式会社と株式会社日立製作所は、共同でサプライチェーンの最適化を目指す新たなシミュレーション基盤の構築に向けた検討を開始しました。この取り組みは、2024年の物流の変革に直面する中、効率的な輸配送を実現するための重要な一歩とされています。
現在、両社は概念検証(PoC)を実施中で、2023年9月末までに複数の物流センターや具体的な品目を通じて、本基盤によるユーザーの利便性向上の効果を評価する予定です。仕組みとしては、サイバー空間にサプライチェーン全体のデジタルツインを構築し、各データを活用して、受注から出荷、配送までのプロセスを自動化し、高精度な計画を立案します。
具体的には、急速に変化する市場における需給調整の最適化や輸送条件の変動への柔軟な対応、さらには仕入先への生産要求や在庫計画の自動生成が可能となります。これにより、業界の流通や製造の現場において効率的かつ迅速な対応が可能になると期待されています。本基盤は、日立のLumadaソリューションを活用しており、流通業や製造業での実績を持つサービスです。
物流業界の2024年問題が大きな課題として浮き彫りになる中、アズワンと日立はこれに向けての対策を真剣に検討しています。特に、アズワンは多様なトランザクションデータとともに1,000万点を超える商品データベースを所有しており、これを活かして業務を高度化する道を模索しています。2025年度には、この基盤と膨大なデータを連携させることで、全体の最適化を図る計画です。
日立の「サプライチェーン最適化サービス」は、従来の仮想モデル構築を数ヶ月から大幅に短縮し、早期に運用を開始できる柔軟なシステムを提供します。お客様それぞれの業務に適したロジックを選択することで、高度なシミュレーションが実現されます。また、日立の独自の高速シミュレーションエンジンにより、膨大かつ複雑なデータの迅速な分析も可能です。
この新しいシミュレーション基盤は、2024年9月4日から5日まで開催される「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」においても詳細が紹介される予定です。サプライチェーンの最適化がもたらす影響に注目が集まります。
アズワンは、日本全国の研究・産業・医療分野で幅広い製品を取り扱う理化学機器の卸商社であり、その商品データベースは業界内でも高い評価を受けています。日立は、社会イノベーションを目指し、デジタル技術を駆使して社会課題の解決を進めています。両社の取り組みにより、未来の物流業界の姿が大きく変わることが期待されています。