企業の中途採用と人材確保の現状を考察する調査 2024

クラレザパートナーズ合同会社が経営するインテリム人材サービスが、2024年8月から9月にかけて実施した「企業の中途採用と人材の確保に関する調査 2024」。この催しは、企業の採用に関与する人事担当者や事業部門の責任者を対象にしたものであり、今後の日本の中途採用市場の課題や現状を詳細に浮き彫りにしました。

調査の背景

日本の労働人口は減少傾向にあり、この現象は今後も続くことが予想されています。このため、人材を確保することが企業経営における重大なポイントとなってきています。中途採用に取り組む企業も徐々に増加し、その方法も多種多様になってきています。この調査の目的は、企業がどのように人材を確保しているか、そしてその過程で直面している課題について理解を深めることでした。

調査結果の概要

調査結果は以下のようになっています。

1. 中途採用市場と人材確保の現状

調査によれば、約50%の企業が「1年前より採用が難しくなった」と回答しています。また、四分の一の企業は、今後の事業運営に支障が出ると感じていることが分かりました。将来的には、60%以上の企業が増員を計画しており、引き続き採用難が続く見通しです。

2. 採用課題と改善策

人材紹介会社の利用率は90%に達し、多くの企業がリファラル採用やダイレクトソーシングを併用しているとのこと。候補者の質や数に不安を感じる企業も多く、採用手段の拡大や自社ブランドの強化を手段として挙げる声が多く見られました。これにより、より多くの候補者を惹きつける施策が必要であると認識されています。

3. 長期休職への対応

調査対象の約75%の企業には、過去1年の間に1か月以上休職した社員が存在しています。長期的な休職者の業務は他の社員が一時的に担うことが多く、代替の人材が入るケースはあまり見られません。このため、社員への業務負担の増加が大きな課題として浮かび上がっています。

企業の取り組み

調査結果から、企業は人材の確保に苦心していることが明らかになりました。特に、中途採用に対する「人材紹介会社とのコミットメントを高める工夫」や「直接採用手段の拡充」、自社の魅力を高める施策が重要視されています。このような動きがある中で、単に人材紹介会社からの候補者を待つ姿勢から脱却する必要性が強まっています。

また、現社員の離職を防ぐために、社外人材を使った業務委託などが進められています。休職中の管理職や専門人材の業務を外部に委託することで、他社員への業務負担を減少させることが目指されています。

今後も、企業が増員を考慮している状況が続く中で、さらなる人材確保の難しさが予測されています。本調査が今後の採用活動や人材確保に向けた施策を考える上で、参考になることを願っています。