洋野町に誕生した新たなウニ養殖場が目指す持続可能な海づくり
岩手県洋野町に、ウニの再生養殖システムを備えた大規模陸上養殖場『UNI-VERSE Site™ Hirono』が誕生しました。この養殖場は、株式会社北三陸ファクトリーとヤンマーHDが共同で取り組んでおり、2026年2月5日には正式に落成式が行われました。
このプロジェクトの背景には、世界中で進行している磯焼け問題があります。磯焼けとは、海藻が消失し、魚の産卵場所が失われる現象を指します。この問題を引き起こす一因にウニの食害があるため、北三陸ファクトリーは「ウニの再生養殖システム」を開発することで、磯焼けを改善するためのウニを生産する仕組みを構築しました。
『UNI-VERSE Site™ Hirono』の実証実験棟では、最適な育成環境の確立と効率的な管理プロトコルの策定に全力を注いでいます。これにより、高品質なウニの通年生産を目指し、国内外への輸出を計画しています。
目指すは200トンのウニ生産
未来には、年間200トンのウニの生産を視野に入れています。実験棟のすぐ隣には第二弾、さらには第三弾となる新棟を増設する計画が進行中で、これによって生産性の向上とコスト構造の最適化が期待されています。これらの取り組みを通じて、漁業者や地域社会に新たな収入源を提供しつつ、海洋環境の再生を図ることが目標です。
提携企業の意見
落成式にはヤンマーホールディングス株式会社や北海道大学、地元の漁業者たちが参列。関係者からは、それぞれの観点から今後の展開を期待する声が多く上がりました。例えば、魚力の代表取締役会長は、北三陸ファクトリーの革新的な養殖モデルが環境保護と品質管理を両立させることに注力している点を評価しました。
また、北海道大学の浦和教授は、ウニの生理学に基づいた持続可能な養殖産業の創出を目指す意義を語りました。さらに、ヤンマーHDの技術者も、海洋環境の改善に貢献するための取り組みを継続的に展開する意向を示しました。
持続可能な未来を創るために
この新たな養殖場は、日本の食文化のグローバル化にも寄与することが期待されています。将来的には、養殖されたウニがEUや北米、中東などに輸出される計画で、2024年にはEU HACCPを取得し、2025年には国際的な水産物展示会に参加する予定です。
北三陸ファクトリーは、ウニの消費を通じて、海の再生へ向けた新しいビジネスモデルを形成しようと奮闘しています。さまざまな企業や学術機関、地域の漁業者との連携を深めいく中で、持続可能な水産業の未来を実現する取り組みが進められています。
結びに
『UNI-VERSE Site™ Hirono』の開設は、環境問題への意識を高め、持続可能なマリンビジネスモデルを確立する一歩となります。未来の海を豊かにするためのこの努力が実を結ぶ日を心待ちにしたいです。