ドイツワインの新境地を切り開く存在といえる「マイヤー・ネーケル」。アール地方に位置するこの優れたワイナリーは、5代にわたる家族経営により、世界にも名を馳せるピノ・ノワールを生み出しています。1970年代の末、ヴェルナー・ネーケル氏はフランスのブルゴーニュを訪れ、ピノ・ノワールの真髄に触れたことから、赤ワイン造りに大きな変革がもたらされました。当時革新的とされた収量制限や小樽熟成、長期マセラシオンといった手法は、ドイツ赤ワインの品質を引き上げ、今日では“世界に誇るドイツ産ピノ・ノワールの生産者”として知名度を確保しています。
地球温暖化が進む中、ドイツ全体のブドウ栽培にも変化が見られます。収穫の時期が早まりつつあり、特にピノ・ノワールの栽培面積が1995年比で約1.6倍に増加。アール地方の気候条件がピノ・ノワールの成育を助けていることが背景にあります。一般的な赤ワイン市場でドイツが白ワインの生産国として知られる中、アール地方は赤ワインのシェアが8割を超え、特にピノ・ノワールに特化した栽培が進んでいます。
「マイヤー・ネーケル」の畑は約20ヘクタールあり、その中には「ゾンネンベルク」「プファルヴィンガード」「ジルバーベルク」「クロイターベルク」といった珍しいVDPグローセス・ラーゲに認定された土地もあり、高品質なピノ・ノワールが栽培されています。アール地域の独特のテロワールは、ワインに個性的なミネラル感と複雑な風味をもたらします。低地に広がるスレートや硬砂岩の土壌は、冷涼な気候に加え、このワインが持つ魅力の一部となっています。
持続可能な農業に対しての責任を持つ「マイヤー・ネーケル」は、有機栽培にシフトし、生物多様性の保全にも真剣に取り組んでいます。環境への配慮から軽量ボトルの採用やCO2排出の削減にも力を注いでいるため、ただ美味しいだけでなく、環境にも優しいワインを提供できるのです。販売開始される「クロイターベルク・シュペートブルグンダーグローセス・ゲヴェックス」は、古樹から作られたフラッグシップキュヴェで、95点を獲得した評価を得ています。
エノテカ株式会社は、ドイツにおける最高格付けを持つこれらのワインを、日本市場に広めることに注力しています。「マイヤー・ネーケル」のピノ・ノワールは、まさにブルゴーニュの代替品として、ワイン愛好者からも注目を集める存在。特に近年、フランス産ワインの価格上昇により「ネクスト・ブルゴーニュ」としての可能性が秘められた彼らのワインが、どのように愛されていくのか、期待が高まります。
この新たなピノ・ノワールの登場を通じて、果実味、酸、ミネラル感を兼ね備えた素晴らしいワインを楽しむ準備をし、エノテカが提供する豊かなワインライフを満喫しましょう。今後が楽しみです。