心疾患手術の革新
2021-04-09 15:53:28

血流シミュレーション技術が先天性心疾患手術に革命を起こす

近日、株式会社Cardio Flow Designが開発した「iTSimulation」が、先天性心疾患の手術設計において画期的な技術として注目を集めています。この技術は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医療機器開発推進研究事業」に採択され、今後の医療イノベーションに期待が寄せられています。

「iTSimulation」は、血流シミュレーションを駆使して心臓手術の設計を行うもので、手術前のCTデータをもとにコンピュータ上で心臓手術を仮想的に実施。これにより、手術後の血流の動きを予測し、最適な手術方法を提案することが可能になります。特に、先天性心疾患はその構造が複雑で、手術の結果が患者の生活の質(QOL)に大きく影響するため、早期からの適切な手術計画が求められます。

保健医療の現場では、疾患や手術の方法が多岐にわたり、個々のケースに合った手術方針を決定することが容易ではありません。しかし「iTSimulation」を用いることで、多様な手術パターンを比較し、最も効果的な血流をもたらす手術を選定できる可能性が広がります。

Cardio Flow Design社は、前述の技術を持つベンチャー企業で、「血流解析で医療を変える」というミッションを掲げて事業を展開しています。CTやMRIを使った分析技術の進展により、体内の血流状況をより詳細に把握できるようになり、同社はこのデータをもとに予測や診断、そして手術計画に活用することで、循環器内科や心臓外科の医療現場に大きなイノベーションをもたらすことを目指しています。

同社の新技術は2023年度からの開発目標を持ち、先天性心疾患手術に対する有効性の検証を行い、2027年度には臨床応用を目指しています。このプロジェクトが成功すれば、先天性心疾患に苦しむ多くの患者に対して、より良い治療方法を提供できるだけでなく、後天的な心疾患の分野にも応用できる可能性が高まります。

医療の現場におけるこの技術の革新は、単に手術の精度向上にとどまらず、患者のQOLの向上、医療従事者の負担軽減、ひいては医療費の削減にも寄与することが期待されます。Cardio Flow Designが進める新たな血流解析技術の動向に、今後も目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社Cardio Flow Design
住所
東京都千代田区一番町22-3
電話番号

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