空き家活用の新提案
2021-06-02 10:00:06

巻組とガイアックスが提携、東北で空き家を活用したシェアハウスの普及に挑む

近年、コロナ禍によるリモートワークの普及に伴い、私たちの生活様式は大きく変化しました。その中で、地方への移住や二地域居住に対する興味が高まりつつあります。しかし、地方では空き家が増え続ける一方、実際に住むことができる賃貸物件、特に若年層向けの住宅は限られているのが現状です。

そんな背景の中、東日本大震災の影響を受けた宮城県石巻市で2015年に設立された株式会社巻組が、空き家を活用したシェアハウスの運営を手掛け、一石を投じました。巻組は、地域に新しい住まいの選択肢を提供することで、さまざまな若者たちが地方での生活を選ぶ手助けをしてきました。

今回、巻組はシェアリングエコノミーの推進企業である株式会社ガイアックスとの資本業務提携を締結しました。この提携により、巻組は資産価値が低い戸建て物件をシェアハウスに改装し、仙台市近郊からその事業を始め、さらに東北各地に展開していく計画です。特に注目したいのは、巻組がこれまでの実績を元に、地域の空き家を再生する事業モデルを一層広げていく点です。

巻組は空き家の再生に特化しており、これまでに石巻市内外で約40軒の物件を改修してきた実績があります。これらの物件は、全体的に資産価値が低いことから借り手が見つかりにくい築古物件が多く、巻組は内装変更の自由度を高めるなど独自のアプローチを行っています。また、現在ではその10軒を、個性的なシェアハウスやゲストハウスとして運営しており、入居者は多様なバックグラウンドを持つ人々が中心です。

巻組の代表取締役、渡邊享子氏は、東日本大震災後の住宅不足を解消するために、空き家を最大限に活用してきたと語ります。しかし、震災から10年が経過し、事業の拡大が必要であると感じています。現在、850万戸とも言われる空き家が存在する一方で、新築住宅の供給は続いており、この矛盾に対して道を切り開く事業モデルとして期待されています。

巻組の過去のプロジェクト「OGAWA」では、築約70年の古い店舗併設住宅を改装し、ユーザー参加型の施工でシェアハウスを開設しました。このような実績があるからこそ、巻組は今後の展開にも自信を持っています。

一方、ガイアックスの代表取締役社長、上田祐司氏は巻組のこれまでの取り組みを高く評価しています。被災地における住宅供給は社会的意義が大きく、今後、シェアリングエコノミーの活用を進めることで、さらに多くの人々に喜んでもらえるプロジェクトになることを期待しています。

今回の提携により、巻組は地方の住宅問題に対する革新を続け、持続可能なライフスタイルの実現を目指します。これからの展開が多くの注目を集めることでしょう。

会社情報

会社名
株式会社巻組
住所
宮城県石巻市中央2丁目3-14観慶丸ビル 2階
電話番号
0225-24-6919

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