セーブ・ザ・チルドレンの調査が明らかにした乳幼児家庭の実情
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、乳幼児を育てる家庭の経済的な困難について新たに行った調査の結果を発表しました。この調査は、東京を拠点にする国際NGOが国内で実施したもので、約500世帯からなる大規模な調査となっています。調査の主な目的は、経済的困難を抱える子育て世帯の実態を明らかにし、政策提言へとつなげることです。
調査の概要
調査は2024年の6月から8月にかけて行われ、アンケート形式で乳幼児がいる非課税世帯や児童扶養手当受給世帯を中心に実施されました。回答を得た世帯は全国にわたり、調査の結果は多くの示唆を含んでいます。
経済的な負担と実態
調査結果によると、約半数の保護者が経済的な理由から紙おむつの購入が困難であり、74.6%がその際に「おむつを替える回数を少なくした」と回答しました。乳幼児の健康にとって、清潔さを保つことは重要であり、長時間の不衛生な状況は肌トラブルや感染症を引き起こすリスクを高めます。また、約4割の世帯が粉ミルクの購入が困難であり、41.1%は「粉ミルクを薄めて飲ませた」と報告しています。このような経済的な制約が、乳児の発育にどのような影響を与えるのかを考えると、深刻な事態が伺えます。
孤独感と支援の不足
さらに調査を通じて、子育て中に孤独感を抱える保護者が多いことも分かりました。「よくある」との回答が34.8%あり、全体の70%を超える人々が何らかの孤独感を感じているとの結果が出ています。子育てに対しての経済的な不安が、さらなる孤立感を生んでいる可能性があります。
また、乳幼児健診時の相談についても多くのネガティブな反応が見られ、相談しなかった理由には「心理的ハードル」が挙げられています。これは、支援機能が必ずしも十分に機能していないことを示唆しています。
今後の活動と提言
セーブ・ザ・チルドレンは、この調査をもとに具体的な対策を提案しています。特に低所得世帯に向けて、紙おむつなど育児用品の支援や、妊産婦への対策強化を図りつつ、こども家庭庁や地方自治体への訴えを行う予定です。
これからも、支援が必要な家庭に手を差し伸べる活動を続けていくことで、子どもたちが安心、安全に育つ環境作りに貢献していくことを目指していきます。
まとめ
調査結果は、経済的な困難や孤独感が乳幼児を育てる家庭にどれほど影響を与えているのかを明らかにしました。今後、この実態を受けて、さらなる支援が行われることが期待されています。このような取り組みは、子どもの権利を保障する上でも非常に重要です。