OUI Inc.の眼科検診訪問サービス、山梨交通と連携した実証実験がスタート
慶應義塾大学医学部から生まれたベンチャー企業OUI Inc.(ウイインク)は、山梨県の実証実験サポート事業に選ばれ、眼科検診訪問サービスのパイロット実施を開始しました。この取り組みは、山梨交通株式会社の協力を得て、同社の社員向けに行われるもので、眼科医療へのアクセスが難しい地域における新たなサービスモデルとして注目されています。
Smart Eye Camera(SEC)について
OUI Inc.が開発したSmart Eye Camera(SEC)は、iPhoneに取り付けることで、眼科診察を可能にするアタッチメント型医療機器です。この画期的なデバイスは、スマートフォンのカメラと光源を利用して、簡便に眼科疾患の診断を行うことができます。SECを使えば、医療過疎地域でも気軽に眼科医療を受けることが可能になります。
実証実験の目的
今回の実証実験の目的は、山梨県に住む人々に対し、眼科医療へのアクセスを向上させることです。特に、これまで眼科医療を受けられなかった地域の患者に、早期の診断と治療を提供し、医療費の削減を目指します。また、実証を通じて地域の眼の健康意識を高めることも重要な目標です。
眼科疾患に対するスクリーニング
当実証で使用される「モバイル・アイ・スキャン」というオンライン診療モデルでは、眼科医や視能訓練士が企業を訪問し、忙しいビジネスパーソンに対して眼科疾患のスクリーニングを行います。医療スタッフがSECを使用して取得した眼科画像は、スマートフォンのアプリを通じて都市部の眼科医に送信され、迅速な診断が行われます。このモデルにより、今まで診療を受けられなかった人たちに新たな医療の扉が開かれます。
山梨県での活動の意義
OUI Inc.は、2024年9月末まで山梨県を舞台に実証実験を進め、その成果を基に眼科医療の普及を図ります。このプロジェクトは、「第6期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」として公式に承認され、地域住民との連携を深めながら、様々な取り組みを通じて眼科医療を充実させていく方針です。
海外での取り組み
SECは日本国内だけでなく、海外でも多くの実証が行われています。アフリカ、東南アジア、中南米を含む60か国以上で、現地の医療機関と協力しながら遠隔診療モデルの構築に取り組んでいます。これにより、世界中の眼科医療の質が向上し、失明のリスクを減少させることが期待されます。
OUI Inc.の今後の展望
今後もOUI Inc.は、地域の医療機関や専門家と連携しながら、失明を防ぐための新しい眼科診断モデルを確立していきます。眼科医療へのアクセスが困難な人々に届けられる簡便なサービスの実現を目指し、さらなる実証実験を重ねることで、眼の健康を守る取り組みを強化していくでしょう。
OUI Inc.の革新的な眼科診断技術により、医療へアクセスできない人々が少しでも安心して生活できる未来を期待したいですね。