クワガタムシの魅力を科学で解明するクラウドファンディング始動
クワガタムシは多くの人々にとって、身近で親しみやすい昆虫です。その中でも特にオスの大顎の存在は、クワガタの魅力の一つ。そんな魅力的なクワガタの「カッコよさ」の秘密を解き明かすため、静岡大学の後藤助教が新たにクラウドファンディングを開始しました。本記事ではその背景や研究の内容について詳細にご紹介します。
研究の目的と背景
クワガタのオスは、大きな顎を持つことで他の昆虫と一線を画しています。しかし、この大顎の発展がどのような遺伝子によって制御されているのかは、これまであまり明らかにされていません。クワガタのオスだけが持つ特徴であり、なぜメスには大きな顎が発達しないのかという疑問も挙がっています。
本プロジェクトでは、オスの大顎が成長する際に使用される遺伝子を調査し、その機能を解明することが目的です。遺伝子の働きを抑えることによって大顎の発達がどう変わるのかを観察し、その結果から遺伝子の役割を理解しようとしています。
クラウドファンディングの詳細
プロジェクトは「クワガタムシの「カッコ良さ」の源を解明したい!」というタイトルで進行中です。目標金額は200万円で、募集は2024年12月25日から2025年2月20日までの期間に行われます。この資金は、実験に必要な試薬や設備の購入、学会への参加、およびサンプリングなどに使用されます。特に「All or Nothing」形式を採用しており、目標金額に達しなければ資金を受け取ることはできません。
研究の意義
本研究を通じて、クワガタムシに関する基礎科学の理解を深めるだけでなく、多くの人々に研究活動の面白さを伝えたいと後藤助教は語ります。子供たちを対象に、自然の不思議に対する興味を育むことが彼の願いです。昨今、科学に対する理解が薄れつつある中で、このプロジェクトはそうした理解促進の一助となることを目指しています。
研究者の思い
25年間にわたり、昆虫とりわけクワガタを研究し続けてきた後藤助教。彼は幼少期の昆虫への愛情が今の研究活動に繋がっていると述べています。「自然界に対する疑問は、探求の原動力」と考える後藤助教は、これからもクワガタを通じて人々に知識を広め、興味を誘発させる研究を続けていく決意を示しています。
今後のスケジュール
- - 2025年4月:研究開始
- - 2025年9月:国内学会で成果発表
- - 2025年12月:性決定に関する論文執筆開始
- - 2026年9月:さらなる成果の発表
- - 2026年12月:大顎の栄養応答性に関する論文執筆開始
まとめ
このクラウドファンディングは、クワガタユーザーや自然愛好家にとって非常に意義深いプロジェクトです。興味のある方々はぜひ、プロジェクトページを訪れ、参加してみてはいかがでしょうか。
プロジェクトページはこちら
全ての人々がこのプロジェクトを通じて、クワガタの新たな魅力を感じ、基礎科学の楽しさを知ることができることを期待しています。