JR東日本と三菱電機、新しい省エネ車両技術の実証実験を開始

JR東日本と三菱電機、次世代車両駆動システムの開発

JR東日本と三菱電機が、鉄道車両の革新を目指して次世代VVVFインバータ装置の共同開発を進めています。この装置は、エネルギーの効率的な使用を追求し、ゼロカーボン社会の実現に寄与することを目的としています。最近の発表によると、E235系山手線の1編成に2台の次世代インバータ装置を試験的に搭載することが計画されています。2026年2月を目途に、これらのテスト結果を基にさらなる設計開発が行われる予定です。

次世代VVVFインバータ装置の特長

次世代VVVFインバータ装置が持つ特長には、以下のような点があります。

- 省エネ化: 従来のE235系に搭載されているSiC素子を最新のチップ構造とパッケージ構造に最適化し、スイッチングロスを約60％低減しました。これにより、より効率的なエネルギー利用が実現されます。
- 小型軽量化: SiC素子のスイッチングロスが低減されることで発熱が抑えられ、冷却器を小型化。また、部品配置の最適化により、装置全体の体積を約60％、質量を約50％削減しています。
- 艤装性の向上: 小型化により、スライドレール方式での取り付けが可能になり、艤装作業がより簡単かつ安全になりました。

これらの改良により、未来の鉄道車両が持つ可能性は一層広がります。

将来的な展望と機能向上

次世代VVVFインバータ装置の導入により、以下のような未来図が見込まれます。

- 車両の電力量削減: 軽量化が進むことで、全体の省エネが実現。
- 艤装のフレキシブル化: 小型化により車両の床下スペースが有効に活用され、設置や修理が容易になります。
- お客さまサービスの向上: 新たにスペースを確保することで、より多くのサービス機器を搭載できるようになり、顧客体験の向上につながります。

また、この技術は在来線通勤車両以外にも、ハイブリッド車両や蓄電池駆動車両へも展開が可能です。特にハイブリッド車両では、機器を床下スペースに移すことで客室スペースの有効利用が可能となります。

今後のスケジュール

山手線E235系電車への試験搭載は2026年2月を予定しており、実際の使用状況からメンテナンス性や制御状態を確認します。このプロジェクトにより、鉄道業界における省エネや性能向上が実現されることが期待されています。

革新的な技術の導入により、より快適で効率的な鉄道サービスが実現される日が待ち遠しいですね。