夜型活動量の研究
2022-02-16 10:30:02
夜型生活者の身体活動量に関する革新的な研究成果を発表
夜型生活者の意外な真実
最近、島根大学の宮崎亮准教授らの研究チームが行った研究によると、夜型生活者の身体活動量が遺伝的な要因によって影響を受けていることが明らかになりました。この研究は、身体活動量に関連する遺伝子が社会的な活動によってどのようにマスクされるかに焦点を当てています。
研究の背景と目的
多くの先行研究では、夜型の人々は運動量が少ないと指摘されてきました。しかし、これまでの研究は24時間程度の短期間に限られており、社会的な影響を十分に考慮していませんでした。これを解決するために、宮崎氏らは1週間にわたり測定を行いました。
研究の方法
研究チームは、夜型と朝型の大学生の身体活動量を活動量計によって詳細に測定しました。実験に参加したのは、夜型20人と朝型61人の学生です。結果として、平日の活動量に差はないことが示されましたが、土曜日と日曜日の午前では夜型の活動量が減少していることが確認されたのです。これは、平日には社会的な活動があるため、夜型の遺伝的要因が抑えられることを示唆しています。
結果の意義
この研究結果は、夜型生活者の身体活動量の低さが単なる嗜好によるものではなく、遺伝的な要因もあることを示しています。土日の身体活動量の違いは、社会的な義務や生活スタイルがどれほどの影響を及ぼすかを考慮すると、新たな視点を提供します。
特に、日曜日の午後になると夜型の活動量は回復し、朝型と差がなくなることが観察されました。これは、週の初めに向けての準備として理解できます。実験参加者は平日、学業や仕事に従事しており、社会的な影響を強く受けていました。
子どもへのアプローチ
この研究は、親が子どもの生活スタイルに対してどのように接するべきかという点にも示唆を与えています。夜型の子どもが土日に朝寝坊したとしても、それを叱ることは逆効果である可能性が高いです。子ども一人一人の特性を理解し、その特性に合った対応が求められます。
今後の展望
研究において、被験者は自らの生活リズムや主観的な認識を回答しましたが、これと遺伝的なタイプとの相関は明らかではありませんでした。したがって、今後は主観的認識だけでなく、遺伝的な要素を理解し、それに基づいた学問やスポーツ、ビジネスなどでのパフォーマンスを向上させる方法を考えることが重要です。
まとめ
この革新的な研究は、人々の生活スタイルや健康に関する新たな理解を促進するものです。研究成果は、論文誌『Physiology & Behavior』に掲載されています。遺伝子的な特徴や生活スタイルに基づいた取り組みが、今後のパフォーマンス向上につながることを期待しています。
会社情報
- 会社名
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国立大学法人島根大学
- 住所
- 島根県松江市西川津町1060
- 電話番号
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0852-32-6100