社内承継への意識調査：責任感が辞退の主要因と判明

社内承継に関する意識調査の結果

オーナーズ株式会社が実施した「社内承継における後継者の意識調査」によると、社内承継を辞退または保留した理由の多くは「責任の重さ」であることがわかりました。この調査は、社内承継の打診を受けた106名の回答を基にしています。

社内承継の現状

社内承継とは、親族以外の社内の役員や幹部社員に事業承継する方法で、近年後継者不足の解消手段として注目されています。調査によれば、社内承継を辞退した理由の中で最も多かったのは、責任の重圧を感じたというものでした。

■ 主な理由
1. 責任が重い: 29.2%
2. 他に優先すべきこと: 26.4%
3. 経営スキル不足: 24.5%

このように、重責への心理的負担や自身の能力に対する不安が、大きな障害になっていることが伺えます。

資金面の不安

調査では、社内承継における資金面での課題についても触れており、生活の安定や家族への負担が大きな不安要素であることが明らかとなりました。

- 収入や生活面での安定の不安: 22.6%
- 家族への負担が心配: 21.7%
- 詳細が分からず不安: 18.9%

この結果からも、承継を阻む要因の一端が家庭や生活への影響にあることが示されています。

求められる支援

さらに、調査結果によれば、72.6%の回答者が適切な支援があれば社内承継を前向きに考えられていた可能性があると回答しました。このことから、支援の充実が後継者の意思決定に大きな影響を及ぼす可能性があることがわかります。

求められる支援の内容は以下の通りです。

- 1位: 資金調達支援 (36.4%)
- 2位: 承継プロセスの情報提供 (32.5%)
- 3位: メンター制度 (29.9%)

周囲の反応の影響

また、社内承継においては、周囲の反応が意思決定に影響を与えます。家族からの「心配」という反応が37.7%だったのに対し、社内幹部からの「後押し」が48.1%という結果でした。このことからも、家族からの状況理解が得られなかったことが承継判断に悪影響を与えている可能性があります。

プロのサポートの必要性

オーナーズ株式会社の代表取締役社長である作田隆吉氏は、「社内承継を辞退する要因として、心理的負担が多いことがわかりました。この調査を通じて、支援環境の整備が求められることを強く感じました」とコメントしています。

社内承継の環境を整えることで、今後多くの後継者候補が安心してその責任を引き受けられる社会を実現する必要があります。