埼玉発！狭山茶を活かしたパンがジャパン・フード・セレクションで栄冠を獲得

埼玉県所沢市に位置するベーカリー『Boulangerie EMU』が、この度、一般社団法人日本フードアナリスト協会主催の「第85回ジャパン・フード・セレクション」で、初のエントリーながら最高賞であるグランプリを獲得したことが話題になっています。受賞対象となったのは、『狭山茶の大納言ラウンド』という商品です。

狭山茶の魅力を生かした一品

『狭山茶の大納言ラウンド』は、日本三大銘茶の一つ、狭山茶を存分に使用したパンで、緑色の生地に渦巻き模様が施されています。この上品なパンは、地元の食材を使用して作られており、その特徴的な味わいは、狭山茶の深いコクと豆のほくほく感が絶妙に融合しています。『色は静岡、香りは宇治、味は狭山』という茶摘み歌が示すように、狭山茶は日本で最も味わい深いお茶とされています。

厳選された素材と手間を惜しまぬ製法

このパンの生地には、所沢市にある「新井園本店」から仕入れた本物の狭山抹茶が使われています。抹茶はパン専用のものではなく、風味豊かな仕上がりが特徴です。また、全粉乳を練り込んだプレーン生地や、ほくほくのかのこ豆大納言も加わることで、食べるたびに様々な味を楽しませてくれます。

製造過程では、成型に特に注意が払われています。美しい渦巻き模様を作るだけでなく、どの部分を切ってもかのこ豆が均等に散りばめられるように丁寧な仕上げが施されています。このこだわりが、見た目にも美しいパンを生み出すのです。

審査員の高評価

受賞に際して、評価された点の一つは、日本人に親しみのある味と色合いです。緑・白・こげ茶の美しいコントラストが、日本人にとって懐かしさを感じさせるデザインとなっています。また、食べ応えのある風味と自然な甘さが、家族で楽しむのにぴったりであるとのコメントも審査員から寄せられました。

受賞の裏側にある熱い思い

大賞受賞の知らせを受けた株式会社イチカワの取締役社長、市川成一は、商品開発に関わるスタッフとのディスカッションを重ね、試行錯誤の末にこの商品が完成したことを語っています。「所沢市の食材を使った美味しい商品を作りたい」という思いが込められたこのパンは、多くのお客様に愛され、すぐに完売したというエピソードもあります。

工場長の渡辺浩治も、日々お客様のニーズに応える商品作りを心がけていると話し、今回の受賞が彼自身にとっても大変嬉しい出来事であったと振り返ります。