インターブランド『Best Global Brands 2025』発表
2025年10月15日、米国ニューヨークより、世界的なブランディング会社インターブランドが『Best Global Brands 2025』を発表しました。このランキングでは、2024年までの市場環境を反映し、総ブランド価値が1,500億ドルへと増加したことが明らかになりました。全体のブランド価値は3.6兆ドルに達し、前年から4.4%の成長を成し遂げたのです。
トップ3ブランドの変動
興味深いことに、トップ3の順位は昨年と全く変わらず、Appleが堂々の1位、続いてMicrosoftとAmazonが2位、3位を守りました。一方、順位を上げた企業も存在し、特にNVIDIA(15位)は116%の成長率を記録し、注目を集めています。さらに、InstagramやYouTube、Uber、Netflixといったメディア企業もランクを上げ、デジタルメディアの影響力を示しています。
日本ブランドの躍進
日本のブランドでは、トヨタが6位を維持し、22年連続で自動車ブランドの最高位を獲得しました。また、ユニクロが自動車や電気以外の業界で日本のブランドとして初めてランクインしたことも特筆すべきです。このように、国際的に見ると日本ブランドも確かな影響力を持っています。
新規参入ブランドのポイント
今年は新たに12ブランドがBGBにランクインしました。特に注目すべきはBlackRock、Booking.com、Qualcomm、GE Aerospace、UNIQLOなどで、これらの企業が業界内で重要な位置を占め始めています。これにより、過去最多の新規参入が記録され、ブランドへの信任が高まっているのがわかります。
自動車業界の変革
自動車業界は特に難しい環境に直面しています。電気自動車(EV)の登場など、ブランドは新たな挑戦に直面しています。トヨタが6位を保つ一方で、テスラは競争の激化により25位に後退しました。これは新たな競争環境が影響していると考えられます。
ラグジュアリーブランドの二極化
ラグジュアリーブランドも変化の波に影響を受けています。Hermèsは成長を続ける一方で、Gucciはランキング50位から脱落するなど明暗が分かれています。コロナ後の価格上昇が消費者に影響を与えた結果、消費者の選択基準が変わりつつあるようです。
NVIDIAの躍進と課題
NVIDIAはブランド価値が116%増加し、432億ドルに達しました。この躍進は彼らの優れた製品マーケティングに起因していますが、今後も持続的な成長を目指すためにはブランドストリーテリングへの投資が欠かせません。
UNIQLOの成長
厳しい小売業界の中でも、UNIQLOは177億ドルの価値で47位に初ランクインを果たしました。グローバルでのブランド戦略の一貫性がこの成長を支えたと言えるでしょう。
ブランドの成功要因
今年のランキング上位ブランドは、大きな変化を機会と捉え、成長に繋げています。特に特定した顧客層に向けた独自のアプローチが成功に寄与しています。
これら全ての要素は、デジタル変革の進展と、それに適応した戦略的対応がもたらした結果なのです。今後のランキングでも、思い切った戦略変更や新たな価値提供が求められることでしょう。