予防接種率の改善と課題
2026年のユニセフとWHOによる報告書が発表され、2025年時点での各国の予防接種率が明らかになりました。このデータによると、乳児の約90%がDTPワクチンを1回以上接種していることが示されていますが、全体的な改善にはまだまだ課題が残されています。
改善の兆し
約1億1,600万人の乳児がDTPワクチンの接種を受け、85%が3回の接種を完了したとのことですが、これは前年に比べてわずかに進展しています。しかし、この改善が十分であるとは言えません。全体の接種率は2019年に比べて依然として1ポイント低く、横ばいの状況が続いています。
特に「ゼロ投与」の乳児、すなわちワクチンを一度も受けていない子どもは、2025年には1,350万人と推計され、前年より75万人減少したものの、依然として大きな数です。多くは紛争地域や不安定な地域に居住しており、医療のアクセスが制限されています。
助けが必要な子どもたち
接種を開始しても必要な回数を終えられない子どもも多く、特にGaviワクチンアライアンスが支援する地域でその状況が顕著です。732万人の乳児がDTPワクチンの初回接種は受けたものの、その後の麻しんワクチン接種が未完了というケースが報告されています。これは集団免疫を維持するために必要な接種率を大きく下回ります。
キャサリン・ラッセル事務局長は、各国の保健関係者が新型コロナウイルスの影響を受けた昨今、予防接種の回復に尽力していることを強調しつつ、依然として多くの子どもたちが感染症のリスクにさらされていると警鐘を鳴らしました。
地域別の状況
地域によって接種率の回復には差があり、米州と東南アジアでは既に2019年の水準を回復し、改善しています。しかし、アフリカや東地中海、欧州地域は、この流れに遅れが生じています。西太平洋地域では接種率が低迷し、最も大きく後退している状況です。
予防接種プログラムの強化
ユニセフとWHOは、国際的な目標の達成には、予防接種プログラムの強化と持続的な資金支援が不可欠だと述べています。特に、紛争地域にいる子どもたちへのアクセスを改善し、健康に関する誤情報に対する対策を強化する必要があります。
また、効果的な予防接種プログラムを実施するためには、データの収集と疾病監視システムの強化も求められています。このような取り組みが実を結べば、予防接種率の改善が期待できるかもしれません。
結論
現在もなお、ワクチンを受けられない多くの子どもたちが存在する中、世界的な努力が求められています。ユニセフとWHOが推進する「予防接種アジェンダ2030」は、あらゆる年齢層へワクチンを届けることを目指しており、この取り組みに国際社会全体が協力していくことが重要です。
ワクチンによって防げる病気から子どもたちを守るため、今後の取り組みに期待が寄せられています。私たち一人一人がこの問題をどう捉え、行動するかが、未来の子どもたちの健康を左右するのです。