MIRAIWOOD技術で創出された新しい漆器木地
2024年10月11日、菱華産業株式会社が新たに発表したサステナブルな漆器木地は、環境素材MIRAIWOOD®︎を使用しています。この新技術では、伝統工芸の漆器製造で出る廃木粉をアップサイクルし、自然由来の材料を用いて木地を製造しています。この製品は2024年10月16日からMATSUYA GINZA本店で行われる「めぐる未来、つづく工芸」展にて展示されます。
環境意識の高まりとラグジュアリー市場
日本の伝統工芸である山中漆器の製造過程で生じる廃木粉を利用することで、新たにリサイクル可能な木地が誕生しました。特に、木地の80%以上が天然の欅材でできており、植物由来の生分解性樹脂を用いることで、バイオマス度73.3%以上を達成しています。これにより、デザイン性のみならず、環境への配慮も兼ね備えた製品として注目されています。
我戸幹男商店とのパートナーシップ
このプロジェクトは、石川県に本拠を置く伝統工芸のブランド「我戸幹男商店」とのコラボレーションにより実現しました。同店は、天然木の漆器製造で出る木粉を提供し、その加工技術を活かして新しい木地を作り出しています。木地の形状は、扱いやすさを考慮しつつ、伝統的なデザインのバリエーションを生み出しています。さらに、この開発は加賀市からの製品開発補助金を受けていることも、大きな支援となっています。
新たな可能性を秘めたカカオ混合木地
さらに、菱華産業は通常の木粉の他に、未利用のカカオハスクを使用したカカオ混合の木地も開発しています。これにより、チョコレートの香りが漂うダークブラウンの漆器が可能に。今回は我戸幹男商店の職人による伝統的な彫刻技術を施されたふた付きの小物入れも展開される予定です。この新しい試みは、ただのデザインの美しさだけでなく、サステナブルな価値も提供しています。
目指す未来
菱華産業は、その取り組みを通じて既存の木材業界にも木粉の回収や製造サポートを依頼し、サステナブルなサプライチェーンを広げる意向です。また、今後はさまざまな業界との連携を進め、さらなる素材のアップサイクルや製品開発を計画しています。
商品情報
「CACAOボンボニエール」は、Lサイズ(18,000円)とSサイズ(15,000円)で展開され、MATSUYA GINZAで特別販売も行われます。オンライン販売は2024年10月16日から開始される予定です。
この新しいMIRAIWOOD技術の漆器木地は、ただの工芸品ではなく、未来を見据えた持続可能なライフスタイルを提案します。加賀市での取り組みは、環境保護と伝統工芸の素晴らしい調和を示しています。