火山活動の新発見
2025-10-08 18:24:12

地球史上最大の火山活動の解明がもたらした新発見

地球史上最大の火山活動に関する新たな発見



岡山理科大学の志藤あずさ講師、東京科学大学の石川晃准教授、広島大学の芳川雅子特任教授を中心とする研究グループが、地震波の解析を通じてオントンジャワ海台のプレートが大規模な火山活動によって改変されたことを明らかにしました。この研究結果は、2025年9月30日に「Geophysical Research Letters」に掲載されたものです。

オントンジャワ海台とは?


オントンジャワ海台は、太平洋に位置する世界最大の海台で、1億1千万年から1億2千万年前の海底火山活動によって形成されました。この巨大な火山活動は、地球環境に重大な影響を与え、多くの生物を絶滅させたと考えられています。その原因は、マントル深部から上昇する熱組成プルームにあることが近年の研究で示唆されています。しかし、上昇したマグマが既存の海洋プレートに与える影響については、明らかにされていませんでした。

研究の方法と成果


今回の研究者たちは、オントンジャワ海台周辺に設置された海底地震計と海洋島で記録された高周波地震波、具体的にはPo波とSo波を用いて、プレートの内部構造を解析しました。Po波とSo波は、海洋プレートを伝わる波であり、その伝播特性はプレート内部の構造に敏感です。

この研究によって、最も顕著な特徴が明らかにされました。それは、オントンジャワ海台周辺で観測された地震波の中でSo波が伝わりにくいということです。この特異な現象は、地震波形モデリングによって解明され、オントンジャワ海台のプレートが「層状構造」に貫入岩脈群が重なる複合構造を持つことが示されました。

さらに、オントンジャワ海台のプレートを伝わる地震波の速度が、一般的な海洋プレートよりも遅いことも確認されました。研究チームは、この観測事実を説明するために、熱組成プルームからのマグマが貫入岩脈群を生成し、さらにプレートを化学的に再肥沃化させたという理論を提案しました。

今後の期待


本研究の結果は、海洋プレートの物理的および化学的な変化がプレート形成過程の理解を深めることにつながると期待されています。これにより、地球の歴史や火山活動のメカニズムについて、さらなる理解が得られるでしょう。

今後の研究が進むことで、プレートテクトニクスや地球環境の変動に対する理解が深まり、新たな知見が得られることが期待されます。

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