アルナイラム、心アミロイドーシス治療薬アムヴトラ®の適応拡大を申請
アルナイラム、アムヴトラ®の適応追加を申請
アルナイラムジャパン株式会社は、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの治療薬アムヴトラ(一般名:ブトリシランナトリウム)の適応拡大に向けて、医薬品製造販売承認事項の一部変更を申請しました。これは、急速に進行するこの疾患に対する新たな治療選択肢の登場を意味しています。
トランスサイレチン型心アミロイドーシスとは?
トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR)は、ミスフォールドタンパク質の蓄積により神経や心臓に影響を及ぼす疾患で、進行が早く、最悪の場合死に至ることもあります。世界中での患者数は非常に多く、約50,000人が遺伝性ATTR(hATTR)、200,000人から300,000人が野生型ATTR(wtATTR)とされています。様々な症状が現れるものの、診断が難しいことが多く、多くの患者が適切な治療を受けられずにいます。
アムヴトラの臨床試験結果
今回の申請は、第III相HELIOS-B試験の成功に基づいています。この試験にはトランスサイレチン型心アミロイドーシスと診断された655名の患者が参加しました。試験の目標は、全死因死亡及び心血管関連のイベントの発生率を評価することでした。試験結果は、2024年に行われた欧州心臓病学会において発表され、同時に『The New England Journal of Medicine』に掲載されました。
患者への期待
アルナイラムの社長である岡田裕氏は、「この疾患は進行が早く、心不全の原因としても注目されています。アムヴトラの新たな適応が患者に新しい希望をもたらすことを期待しています」と述べています。このように、アムヴトラは現在15カ国以上で承認されており、特に日本ではトランスサイレチン型心アミロイドーシスに対して希少疾病用医薬品に指定されています。
ビタミンAに関する注意
アムヴトラを使用する際には、血清ビタミンAのレベルが低下するため、投与中は推奨されるビタミンAの補給が必要です。また、眼科的な症状が見られる場合には医師の診断を受けることが推奨されています。
結論
今後、アムヴトラが新たな治療選択肢となり、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに苦しむ患者に大きな影響をもたらすことが期待されます。アルナイラムは引き続きこの治療法の承認取得に向け、努力していく所存です。RNAi技術による新しい治療法として、患者の生活の質を向上させることを目指しています。
会社情報
- 会社名
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Alnylam Japan株式会社
- 住所
- 東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内11階
- 電話番号
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03-6629-6200