YUMABとMOLCUREが連携
2024-10-09 00:18:44

YUMABとMOLCUREがゼロショットAI抗体創薬技術を共同研究開始

ドイツに本社を構えるYUMAB GmbHと、神奈川県川崎市に拠点を置くMOLCUREが、革新的なゼロショットAI技術を抗体創薬に応用する共同研究を開始した。この連携により、薬物の標的化が難しいアンドラッガブル標的に効果的な抗体の創出を目指す。

YUMABは抗体創薬における30年以上の豊富な経験を持ち、特に完全ヒト型治療抗体の開発に注力している。一方、MOLCUREは10年以上にわたりAIを用いた抗体設計の技術を磨いてきた。両社の専門知識を組み合わせることで、医薬品の開発における新たな地平が拓かれることが期待される。

特に注目すべきは、ゼロショットAI技術を使用した抗体設計のプロセスだ。この技術により、抗原配列や標的構造をもとに新しい抗体配列をオンラインで設計することが可能になる。この方法は、従来の動物免疫やスクリーニングによる物理的な手法を必要とせず、迅速に標的に対するヒット抗体を見つけることができる。それにより、薬剤ターゲットの候補が広がり、抗体の多様性も増すことになる。

YUMABとMOLCUREのコラボレーションは、特にGPCR(Gタンパク質共役受容体)やイオンチャネルといった、抗体創薬が難しかった領域への挑戦である。これまでの技術では、これらの標的タンパク質が発現しない場合や病態に関連する構造を維持しないため、ヒット抗体の探索が困難であった。ゼロショットAI技術の導入は、これらの制約を克服し、薬剤の効果を最大化するかもしれない。

MOLCUREは、独自のAI技術を用いて抗体配列を設計するほか、設計された抗体を分子動力学シミュレーションを利用し検証することで、より効果的な抗体を確立する作業も進めている。このフィードバックループにより、抗体設計がより効率的に行われていくだろう。

YUMABのCEOトーマス・シルマン博士は、共同研究の成果に期待を寄せ、「ゼロショット技術が進化すれば、従来のスクリーニング法では考えられなかった新たな抗体の設計が可能になる。これにより、より多くの治療標的に対する抗体を生み出し、開発コストを大幅に削減できるだろう」と語っている。MOLCUREのCEO兼CSOである玉木聡志博士も同様の見解を示し、次世代の抗体を患者に届けることを目指している。

この研究の成果が実用化されることで、抗体創薬の新たな扉が開かれる可能性がある。抗体治療は従来、技術的な障壁が多く、開発費用も高騰していた。しかし、この新しいアプローチによって、より多くの患者に新薬が提供され、医療の質の向上が期待される。

YUMAB GmbHについて


YUMABは、2012年に設立され、完全ヒト型治療抗体に関連するさまざまなサービスを提供する企業である。特に、モノクローナル抗体の開発において、国際的なプレイヤーとして知られており、高い専門性を持つ研究者が在籍している。

株式会社MOLCUREについて


MOLCUREは、AIを駆使した創薬プラットフォームを構築し、先進的な医療のための研究開発を行う企業だ。世界中の製薬企業と提携し、効果的で安全な新薬の発見を目指して日々研究を進めている。


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会社情報

会社名
株式会社MOLCURE
住所
神奈川県川崎市幸区新川崎7-7AIRBIC A07
電話番号

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