芥川龍之介「河童図屏風」が長崎歴史文化博物館で公開!
長崎歴史文化博物館では、毎年7月24日の芥川龍之介の命日である「河童忌」に合わせ、芥川龍之介が晩年に描いた「河童図屏風」を公開しています。今年は7月17日から8月18日までの期間、この貴重な作品を展示いたします。
芥川龍之介は、昭和2年(1927年)7月24日に36歳の若さで亡くなりました。その晩年の作品として知られる『河童』は、芥川自身の内面を投影したような作品と言われています。
今回の展示では、「河童図屏風」に加え、芥川が長崎を訪れた際に、料亭「菊本」の女将・杉本わかへ贈った書簡や資料なども展示されます。これらの資料は、芥川が晩年に過ごした長崎での生活や、作品への影響について貴重な情報を与えてくれます。
芥川龍之介と長崎
芥川龍之介は、南蛮紅毛に関する資料収集のため、大正8年(1919年)と大正11年(1922年)の2度にわたり長崎を訪れました。長崎滞在中に、後の長崎の郷土史家となる渡辺庫輔や、実業家であり文化人である永見徳太郎らと深い交友を結びました。
「河童図屏風」は、芥川が永見から紹介されたお若さん(後の料亭「菊本」の女将・杉本わか)のために描いたものです。屏風には、次のような言葉が記されています。
橋の上ゆ胡瓜なぐれば 水
ひびき すなわち見ゆる
かぶろのあたま
お若さんのために
我鬼(芥川の俳号)
この言葉は、芥川が晩年に抱えていた苦悩や、杉本わかへの愛情を表しているのかもしれません。
展示情報
会期: 2024年7月17日(水)~8月18日(日)※8月5日(月)休館
会場: 長崎歴史文化博物館 2階常設展示室 歴史文化展示ゾーン「近代化の魁・長崎」コーナー
時間: 8:30~19:00(最終入館18:30)
観覧料: 常設展観覧料でご覧いただけます(大人630円、小中高生310円)
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※県内小中学生、長崎れきぶん友の会、キャンパスメンバーズは無料
芥川龍之介の貴重な作品と資料を、この機会にぜひご覧ください。