岡山大学が新しい過活動膀胱治療を発表
国立大学法人岡山大学(岡山市北区)は、難治性過活動膀胱に対する新治療法『Endoscopic Topical Application(ETA)治療』を開発し、世界で初めて臨床応用した症例を報告しました。この新しいアプローチは、従来の治療法では十分に効果が出なかった尿意切迫感や夜間頻尿の改善に寄与する可能性があるとされています。
ETA治療の概要と特長
ETA治療は、膀胱粘膜表面からボツリヌストキシンを直接塗布することで、膀胱三角から膀胱頸部にかける感覚神経ネットワークを選択的に刺激します。この治療法は、尿の流れを阻害することなく、薬剤を効果的に運ぶ点が特長です。これにより、排尿や蓄尿の感覚の調整が期待され、過活動膀胱の治療に新しい視点からのアプローチを提供します。
既存のボツリヌストキシンによる膀胱壁内注射では効果が限界に達することが多く、日常生活に支障をきたす患者も多かったため、本治療の開発は大きな意義を持っています。今回の報告は、尿意の感覚入力の強い領域にアプローチしたことで、これまでにない治療戦略の可能性を示したものです。
臨床応用の現状
2026年1月9日に、米国の医学ジャーナル『Cureus』において初めてこの治療の臨床結果が公開されました。この研究グループは、定平卓也准教授と渡部昌実教授を中心に、岡山大学病院の腎泌尿器科と新医療研究開発センターの連携によって進められています。
今後の展望
研究者たちは、今後の研究を通じてETA治療の適用範囲を広げ、実際の臨床現場での応用を加速させることを目指しています。また、治療の成果が他の難治性過活動膀胱の患者にも広がることを期待しています。特に、尿意や頻尿に苦しむ多くの患者にとって、生活の質を改善する手助けとなることが期待されています。
研究者の声
定平卓也准教授は、「過活動膀胱の症例では、薬物療法のみでは効果が見えづらく、患者にとって大きな課題であると感じていました。尿意の感覚入力に着目したこの治療法が、実際の症例改善につながる可能性がある意義は大きいと思います」と述べています。
さらに渡部昌実教授は、「多くの患者が抱える症状の改善に貢献できる可能性があると考えています。実際に治療を受けた患者からのポジティブなフィードバックも増えており、期待が高まっています」と語っています。
最後に
岡山大学が提供するETA治療は、医学界において新たな治療法として注目されています。今後の研究拡大とともに、難治性過活動膀胱の治療における選択肢の一つとなることが期待されます。患者一人ひとりの生活の質を向上させるため、今後の進展に注目です。