岡山大学、新たな研究書籍を発刊
2026年2月8日、岡山大学は世界初となる「死んだふり」に関する体系的な英文書籍を刊行しました。この書籍は、動物界における「死んだふり」行動のメカニズムやその意義を深く掘り下げたもので、動物行動学・生理学・分子生物学といった複数の学問分野の知見を融合しています。著者である宮竹貴久教授は、25年以上にわたる研究をもとにこの書籍を執筆し、動物行動の根源に迫る新たな視点を提供しています。
1. 死んだふり行動とは?
「死んだふり」とは、捕食者に対して無抵抗な姿勢を示す行動です。多くの動物種がこの行動を示すことが知られていますが、これまで体系的な研究がほとんど行われていませんでした。宮竹教授は、1990年代からこの研究に取り組み、数多くの実験を通して「死んだふり」がどのようなメカニズムで実現されるのかを解明してきました。特に、甲虫類を対象にしたさまざまな実験の結果をもとに、新たな知見を次々と発表しています。
2. これまでの研究成果
書籍では、これまでに発表された「死んだふり」に関する研究がまとめられ、著者自身の研究成果も詳しく紹介されています。これにより、読者は「死んだふり」がどのように進化し、特定の動物たちにおいてどのように機能しているのかが理解できるようになります。また、不動を伴う死んだふり行動が人間にも関わる事象、例えばPTSDやパーキンソン病、さらにはトラウマに伴うフリーズ現象との関連性についても言及されています。
3. 多角的なアプローチ
本書は、動物行動の理解を深めるために、工学・情報学・医学など異なる分野の知見も取り入れています。これにより、科学の枠を超えた視点で「死んだふり」を捉えることができ、生物学的な理解が進むことを期待しています。
4. 学術的な意義と今後の展望
宮竹教授は、「死んだふり」が動物たちにとって生存戦略の一部であることを証明したいと語っています。また、この研究が科学、医学、さらには生態的な観点からも重要な示唆を与えることを目指しており、今後の研究が待たれます。書籍には進化的意義や生理学的メカニズムを整理し、動物行動のこれからの研究の方向性を示しています。
5. 書籍情報
この書籍は2026年1月3日にオンラインで発行され、今後の研究や学術活動においても広く利用されることが期待されます。書名は「Death Feigning: Mechanisms, Behavioral Ecology, and Implications for Humans」で、英語で記載されています。この機会に、ぜひ研究者や興味を持つ方々に手に取ってもらいたい一冊です。
結論
長年続けられた「死んだふり」に関する研究が、ついに一つの形となり、さらなる知見が広がることを期待しています。これからの研究が動物行動学に新しい視点をもたらすことを心から楽しみにしています。