日本初!自動運航船の船舶検査が合格し新たな航海の時代へ

日本初!自動運航船の船舶検査合格



2023年12月5日、我が国で初めて自動運航システムを搭載した船舶が、安全基準に適合したとして船舶検査証書を交付されました。これは、我が国の船舶運航の歴史において新しいページを開く重要な出来事として注目されています。

この自動運航船は、旅客フェリー「おりんぴあ どりーむ せと」に該当します。この船には、周囲の環境を把握し、他の船舶との衝突や座礁を回避するための認知・判断・操作機能が搭載されています。船員が常時乗船し、無線通信や灯火、形象物の監視を行いながら運航するという現地目撃によって、安全性が確認されました。

国土交通省の海事局は、2030年頃までの本格的な自動運航船の商用運航実現に向けて、自動運航の安全基準を策定した上で、継続的に検討・実証を進めています。今回の検査合格は、特に日本財団の「MEGURI2040」というプロジェクトにおける成果であり、同プロジェクトを通じて開発された自動運航システムが実用化されたことで、航海業界に新たな可能性を提供します。

「おりんぴあ どりーむ せと」は、新岡山港と土庄港の間で定められた条件のもとで自動運航が開始されることになり、これは多くの商業運航になり得る道筋を開いています。今後は、実証航海を通じて、船員の労働負荷の変化や、海上での自動運航の効果を検証する予定です。

この新しい運航システムは、海運業界の発展を促進するだけでなく、効率的かつ安全な運航を実現するための大きなステップでもあります。自動運航の普及が進めば、海運の多くの面で劇的な変化が期待されるでしょう。

実証運航によって得られたデータや経験は、将来の自動運航船の運営に役立つだけでなく、国際的な基準作りにも寄与することが期待されています。日本の技術が海外にも発信され、国際的な海運の未来をリードしていくことに繋がるでしょう。

さらには、持続可能な海洋環境の維持やエネルギー効率の向上を目指す動きも進んでおり、新しい技術の導入により、より環境に優しい航路の実現が期待されています。このように、自動運航船の導入は、技術と環境、そして作業の効率を同時に追求する側面があり、未来の海上輸送の在り方を変える可能性があります。

日本でもこの技術が普及していく中で、引き続き国や民間が連携し、さらなる安全基準の整備や技術革新を進めることが必要です。この度の自動運航船の合格は、未来の海の旅を一層興味深くさせることでしょう。

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